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〈石田芳夫九段の展開予想〉 勢いでは挑戦者に分
リーグ序盤は依田碁聖と小林九段が3連勝。依田碁聖が2度の半目負けで調子を落としたのに対し、小林九段は劣勢の碁も逆転して勝ち進んだ。 7勝1敗同士で迎えたプレーオフの相手・山下天元は、昨年に天元を獲得したあたりから力強さが戻ってきた。しかし、拾って勝ってきた方に勝ち運があるものだ。 こういう挑戦権の取り方は非常にいい。事実、8戦全勝で他を圧倒した挑戦者は過去に一度も名人になっていない。 小林九段は、いま乗りに乗っている。棋聖を取った10年前よりも好調に見える。次々と出てくる20代のタイトル者に刺激を受けているようだ。 張名人の調子は、悪くはないが下降気味。1勝4敗でタイトルを失った5、6月の本因坊戦は、星も内容も不完全燃焼だった。名人と王座の2冠では「独走」の雰囲気はない。二つあった三大タイトルが一つになり、精神的違いがどう出るか。 名人は仕掛けが早く、足早に地を稼ぐ棋風。挑戦者は、基本的には相手の手に乗って打つタイプだ。戦力を分析すると、挑戦者はオール満点。勢いは挑戦者に分がある。 番碁初対戦ということもあって、展開は興味深いが、名人が先に仕掛けることが多いのではないか。挑戦者はケンカを買うこともあるし、リーグ戦の経験で、細かい半目勝負にも自信を持っている。乱戦か持久戦かは、挑戦者次第と予想する。 逆に名人の仕掛けにも注目。本因坊戦の時は、動き過ぎて失敗したきらいがある。その反省をどう生かすかでしょう。
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