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< 第30期名人戦挑戦者決定リーグ第11局 >
●王銘エン 九段
対
○依田紀基 碁聖
1〜14手
高目の話
高目(たかもく)の話をしよう。現代碁界でまったく冷遇されているのが高目である。一局に一つは高目を打つと決めている高木祥一九段の例はあるけれど、例外中の例外だ。
なぜ人気がないのか。高目が悪いと結論づけられたからではあるまい。しいて理由をさがすと、運用が難しく、先の見通しが立たないからだろう。安心と安定を求める気持ちは高目を捨てさせ、星と小目に集中し、似たような布石が多くなる。しかし、見方をかえると、不安も不安定もいいものではないか。自分が不安なかわりに、相手だってこわいのだ。いきなり未知の世界が現れ、手探りで進まなければならない。高目は魅力がいっぱいだと思う。
白2の高目、依田がやってくれた。黒3、白4と一呼吸おいて、面白いじゃないかと王は道策風に黒5。本因坊道策は満票で昨年の第一回囲碁殿堂入りを決めた三百年以上も前の大名人。道策の工夫は現代のミニ中国流に受けつがれている。もう完全に未知の世界へ突入だ。
対局室を抜け出し、記者室で一服の小林覚九段は、「黒7のバランスがいいのかな」と首をかしげた。ここで王立誠解説者に登場してもらおう。
「7の是非は難しすぎて分かりません。ただ、黒9はメイエンさんらしくないと思う。普通はAの一間。Bのコスミもありそうです。13まで、黒が右辺に集中しているのも気になります」
白14はノータイム。これが依田の好手だった。
(春秋子)
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2005年03月22日
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