1〜23手
頑張りがいあり
大阪・西天満の日本棋院関西総本部は十数年ぶりだったので、迷ってしまった。よく知っている関西総本部は、山田規三生が入段した翌年の平成2年のころ。
17歳の山田二段はおそろしく強く、雑誌の企画のプロアマ対抗勝ち抜き戦を一人で終わらせた。大刀を振り回して斬(き)りつける打ちっぷりから、記者はブンブン丸と名づけたものである。
そんな思い出のつまった関西総本部も老朽化が進み、この10月、梅田駅前のビルのワンフロアに移転することが決まっている。つまり本局は現在の関西総本部での最後の名人戦リーグとなる。
山田はがけっぷちに立たされている。リーグに残るためには1敗も許されない。本局に勝ち、最終ラウンドの対依田戦に勝って初めて残留が決まり、来期は新会館で名人戦が打てる。これほど頑張りがいのある状況もないだろう。
すでにリーグ落ちが決まって、これが最終局の小県真樹は、いつもと同じように淡々と勢力的な布陣。黒15、17そして19と、左辺から中央にかけての厚みで白を圧倒するつもりだ。
「しかし黒19と決めたのがどうだったか。白から21と受ける気がしないところなので、黒19は時期尚早かもしれない」と小県の感想。関西総本部の重鎮石井邦生九段の見方はことなる。
「立派な行き方と思いますよ。黒23のあとの白を悩ましている」
確かに山田は悩んだ。その白24、当てられる読者はまずいないのではないか。
(春秋子)
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2005年08月16日