1〜22手
五線をめぐって
碁界で一番長く、熱い日と呼ばれる、名人戦リーグ最終一斉対局。今期は8月4日に、東京・市ケ谷の日本棋院本院で3局、大阪市の関西棋院で1局が打たれた。
全4局が挑戦もしくは残留争いに関係があり、消化試合はなし。今日からはトップを走り続けてきた小林覚と、勝てば残留確定の王銘エンとの一戦をごらんいただく。
2人の対戦成績は王の6勝9敗。この程度のかたよりは珍しくない。しかし王の白番に注目すると1勝6敗。少し気になるデータだ。教えてくれたのは宋光復九段。
「白番の王さんは、内容は悪くないのに最後には負けている。このパターンが目立ちます」
本局も序盤の王はノビノビとしていた。白8なんて、ほかに誰が思いつくだろう。この五線の白石をめぐる攻防でまず白がポイントをあげる。
白8は、黒9で11ならボウシの位置、黒9でAなら急所にあたる。そこで小林は黒9とワンクッションおいてから11へ構えた。
「理解できません。白8はあいまいな位置だから、黒も5の石を軽く見るべきです。黒10とカカって問題はなかったでしょう」と解説の石田芳夫九段。
白12で黒9が悪手化した。白2と12の小ゲイマジマリに、黒9と白10を交換した理屈だから、白を強化したお手伝いだ。
小林は黒13に回れればよしとの判断だろう。しかし白も14の空き隅を占めている。白22まで、王は中央で暴れやすい碁形を手に入れた。不満なんて、あるはずがない。
(松浦孝仁)
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2005年08月23日