130〜162手
山下にチャンス
白30からは、上座の山下から一番遠い場所での攻防。深紅のネクタイはぴたりと碁盤の側面に張り付き、思いっきりの前傾姿勢で考え込む。
白の劣勢は明らか。黒37、39と急所に迫られ、黒41の痛打を食らったのが午後5時半寸前。終局はそう遅くなさそうだ。夕食休憩をとらずに対局を続行したのは、当然の成り行きに思えた。
白は42、44で、泣く泣く右側を処分する方針に出た。潘は無理をしなくてもいい形勢。ところが黒51と目いっぱい頑張ったことから山下の闘志に火をつけてしまう。黒51はAと禍根を断つべきだった。
好機到来とばかりに山下は白52、54と出切る。
注意したいのが上辺から伸びる黒石の死活だ。△を取り込んだ一眼はあるが、黒Bと抜いてもコウにされる手が残り、二眼は約束されていない。
黒55で参考図の1は何が飛んでくるか分からない。白4以下10が利き、白aに黒bと逃げると左辺がもたない。
黒55の下アテでも危険を回避していなかった。白60、黒61の後、すごい一手が飛び出した。
白62だ。黒C取りには白Dからのユルミシチョウで黒3子が取られてしまう。潘は激しく動揺する。
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(伊藤衆生)
2006年02月14日