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< 第31期名人戦挑戦者決定リーグ第16局 >
  先手 ● 依田紀基 碁聖   対   後手 ○ 高尾紳路 本因坊

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棋譜
84〜102手

チャンスに暗転

 ずっと依田ペースで進んでいたが、高尾にチャンスが訪れた、はずだった。白84と仕掛けて、白88から中央黒2子をちぎりに行ったのが、決めに出たようでいて、実は命取りとなった。

 黒93のツケが高尾の読みから抜け落ちていたのだ。白94で95、黒A、白Bと抵抗するのは、黒Cのノゾキでカナメの白石が助からない。

 黒95まで左辺白2子が取り込まれたのが痛すぎる。左辺には白Dの狙いがあり、黒は借金のある立場。それが省けたのが大きいのだ。

 白84では、参考図の白1、3で上辺を脅してから白5を決行するのが良かった。「白13の後、黒が譜のEに回って細かい形勢。息の長いヨセ勝負でした」と林解説者。高尾は「Dの方を熱心に見なくちゃいけなかったのか」と悔やんだ。

 左辺の損失は、中央の黒をちぎった程度では賄えない。白96でFと打ち中央が大きくまとまればよいが、右下が弱くてとても打ち切れない。

 黒101に白102とオサえ、依田が次の手を考慮中、夕食休憩のブザーが鳴った。依田がまず退室し、続いて立ち上がった高尾は「ひどかったな!」と言い放ち、部屋を出た。 [次の譜へ]

(伊藤衆生)

2006年05月02日


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