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< 第31期名人戦挑戦者決定リーグ第24局 >
  先手 ● 山下敬吾 棋聖   対   後手 ○ 坂井秀至 七段

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棋譜

 75取り返す(74の上)

62〜106手

しめしめのはずが

 坂井の対局を観戦するときは、局後の検討も楽しみのひとつ。勝っても負けても迷った場面を納得のいくまで研究する。まあ、これ自体は珍しいことではないが、坂井の場合は心の中まで正直に明かしてくれる。

 白62と切って坂井は自信たっぷりだった。

 「黒63はないと判断していたから、しめしめと思っていた」

 ところが、山下はたった2分の考慮でハネ出してきた。そう、坂井の読みはわずかにずれていた。黒63は本局の勝因といってもいい。

 石田芳夫「参考図の白1、3は黒4から10で右上の白は全滅。白1で2、黒a、白1も黒4で似たようなものです」

 坂井は黒63で70を考えていたのだろう。白69、黒64、白A、黒74に白Bから渡る手がある。

 白64から坂井は軌道修正に追われる。なんとか白78まで生きを確保したものの黒67と味をつけられ、さらに右辺も黒71とめったに見られない形で白3子をカカえられた。

 白82以下も坂井は迷った。「強い人ならもっといい打ち方を知っているんだろうなあ」

 黒103で白は中央と右下が薄い。白106は形勢不利と判断した表れだろう。 [次の譜へ]

(松浦孝仁)

2006年07月04日


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