1〜22手
トップに並ぶのは
リーグをあとから振り返って、あれが挑戦者争いを左右したのだなと分かる大一番がある。前々局の依田―潘戦がそうだった。勝ってトップに立つはずだった依田だが、3敗目を喫して大きく後退し、かわって伏兵ともいうべき潘が躍り出た。
この状況に勇気百倍なのが小林覚と高尾紳路である。本局に勝てばトップに並び、挑戦への道が開ける。もっとも負けた方はリーグ落ちの心配もしなくてはいけない深刻な一番だ。
本因坊戦七番勝負の第4局と5局の間の6月22日。いつもは対局前に気さくに話しかける小林も、この日ばかりは無言だった。本因坊戦の微妙な時期に差しかかった相手への心づかいか、大一番ゆえの緊張か。たぶん、両方だろう。
黒番高尾の現代秀策流で、黒7までは本因坊戦第4局と同じ。山田の白8はAのコスミだったが、小林は12分を使って右下のツケ。この方が実戦例は圧倒的に多い。
黒9から大場を占め合い、左下の定石が完成しかかったところで再度小林の手が止まり、白18に10分をかけた。きょうの小林は慎重だ。解説は棋聖戦リーグで活躍中の加藤充志八段。
「白18はやや違和感をおぼえます。単に20とブツカれば普通でしょう。このとき黒19なら、白22とカカえ、黒21に白Bとトブことができます」
実戦は白22とカカえて確かに好形だ。しかし白18に一手の価値があるかどうかというのが解説者の違和感である。早い話が18よりもBにあった方がいい。
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(春秋子)
2006年08月04日