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< 第31期名人戦挑戦者決定リーグ第31局 >
  先手 ●黄 翊祖 七段     対   後手 ○高尾紳路 本因坊

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棋譜
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1〜31手

がんばれ小学生

 世の中、何があるか分からないよねと、小学生が暗い顔をして語り合っていた。たいていの家では楽しい夕飯の時間帯に電車の中で。会話から、中学受験のために通う塾からの帰りと分かった。

 夢があるような、ないような。複雑な気持ちになった。記者のかばんの中には石田芳夫九段の解説を受けたばかりの本局の棋譜が。何があるか分からないからこそ碁は楽しい、なんて結末にしようと思案していたのに。

 あの小学生が碁を知っていたら棋譜をプレゼントしたいと思った。何があるか分からない状況はこんなに楽しいこともあると理解できたのに。

 序盤から一風変わった石組みだった。黒5、7から始まり黒13まで。黄は上辺から右辺にかけての勢力で一局打つつもりだ。この対局の3日前、7月3日に行われた世界選手権・富士通杯の決勝戦と12手目まではまったく同じ。黄はAではなく黒13と変化、修正した。入ってくる白14を厳しく攻める狙いだ。

 黒15から27までは黄の予想していた中の一つだろう。白に眼形はなく、右辺が黒地にまとまりやすい。

 ここで高尾は白28の手抜き。黒29にも白30と知らんぷりだ。しかし黒31に迫られてみるとかなり窮屈。白Bに逃げるのは黒Cが絶好形の攻めになる。黒は上辺も右辺も右下も立派な構えになった。

 さあ、ここだ。次の3手を問題としたら、何人が正解するだろう。記者室ではアマチュアもプロも含めてゼロ。まさしく、何があるか分からない。 [次の譜へ]

(松浦孝仁)

2006年08月25日


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