1〜18手
地味から一転!
8月3日、今年も熱い一日をむかえた。恒例の最終一斉対局は東京の日本棋院本院で3局、大阪の日本棋院関西総本部で1局。どれも挑戦権、残留争いに関係があり、消化試合はない。実はこんなうれしい状況が悲劇に変わる可能性もあった。
七番勝負第1局は9月8日に開幕する。したがって、リーグ戦の模様を当欄で伝えられるのはその8日朝刊まで。もしトップの高尾紳路が敗れてプレーオフになると、観戦記がぎゅうぎゅう詰めになる。いちばん盛り上がる最終戦を駆け足で通り過ぎるなんて、もったいなくて涙が出る。
まあ、こんなぜいたくな悩みが出てくるのも、第31期リーグ戦が歴史的混戦だったからこそだ。
まず紹介するのは大阪での一戦。山田も坂井も4勝3敗で挑戦の望みもあった。5勝2敗で単独トップの高尾紳路に黒星がつけばプレーオフに進出できる。ただし、負ければリーグ落ちの可能性もある。
「厳しい状況下では地味な碁になるもの。黒17まで、四線にある石は三つだけです」と解説の石田章九段。手堅いとされるケイマや二間ビラキのオンパレードだ。
しかし、静かだったのはここまで。坂井はいきなり白18と二線のオキを決行する。対して黒Aは符号順に白Dまで。地を稼いだうえに黒の眼形を奪い、大げさではなく、もう負けようのない形勢だ。
石田「白18の考慮時間は6分ですか。よくある筋とはいえ、こんなに早い段階では珍しい。研究済みなのでしょうね」
[次の譜へ]
(松浦孝仁)
2006年09月15日