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< 第31期名人戦挑戦者決定リーグ第36局 >
  先手 ● 高尾紳路 本因坊     対   後手 ○ 潘善キ 七段

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棋譜
1〜29手

張栩の詰碁

 8月3日、日本棋院幽玄の間。黒番ゆえに下座についた高尾紳路のそばには2本のペットボトルと、1冊の本が置いてあった。碁界には藤沢秀行先生のような読書家もいるけれど、高尾が本好きとは聞いたことがない。書名を見ると新刊の『張栩の詰碁』だった。現代有数の詰碁作家と評価の高い張名人の初の詰碁集である。じつは本局、張名人もびっくりの詰碁の筋が現れかけるのだが、それはのちのお楽しみとしよう。

 高尾は名人挑戦を、潘善キはリーグ残留をかける。潘が負けても助かるのは、小林覚が黄翊祖に負けた場合だけ。読者は社会面の速報や第35局の観戦記で小林が勝ったことを知っている。つまり勝つしか残留を果たす道がないのだ。

 左上の定石から黒23までは、もうすぐ没後2年を迎える加藤正夫名誉王座の好きな布石だった。「私も加藤先生に打たれたことがあります」と、解説の結城聡九段。

 しかしあるときから加藤はこの布石をぱったりと試みなくなった。「黒は上辺にかたよりすぎている」というのが理由と聞いた。そこで黒17以下を省略し、黒24にカカるようになった。「だんだんかしこくなるものです」とも語っていたことを思い出す。

 高尾はあえて旧加藤流を選んだ。かたよってはいても、黒29でできる模様の大きさに魅力を感じたのだろう。

 結城「その前の白28はちょっと意外。下辺の打ち込みを狙うためにはAと高い方がまさるはずです」 [次の譜へ]

(春秋子)

2006年10月14日


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