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第31期名人戦七番勝負 第1局

 【9月8、9日 ホテルニューオータニ長岡(新潟県長岡市)】 】 
●高尾紳路 本因坊   対   ○張栩 名人

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日程 |  七番勝負第1局フォトギャラリー

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石田芳夫立会人に封じ手を書き入れた棋譜を手渡す張栩名人(左)

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第31期囲碁名人戦七番勝負第1局、長岡対局の記念扇子

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「次の一手」の正解者には対局記念扇子や囲碁手帳が手渡された

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囲碁ファンを前に大盤で戦況を解説する、片岡聡九段(右)と青葉かおり四段

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大盤解説会には、平日の昼間にもかかわらず100人以上の囲碁ファンがかけつけた

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この日の両対局者の昼食。メニューは鮪とイカのお造り、俵梅じゃこご飯やカマスの味噌柚庵焼きの入った三段箱盛(中央)、フルーツにはアンデスメロンと巨峰

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指導碁を行う青葉四段。ファンからのサインにも応じていた

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指導碁の会場。大勢の囲碁ファンが詰めかけ大盛況。奥には外国人のファンも

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長岡囲碁連盟会長の星勲さん

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検討室で記者の取材に応じる加藤充志八段

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第1手目に着手する高尾本因坊。右上小目に打つ

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対局直前、高尾本因坊を待つ張名人

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対局直前の高尾本因坊

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両対局者の揮毫がなされた碁盤。日本棋院長岡支部支部長・福原淳一さんの所有

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検分後、碁盤に揮毫する高尾本因坊=9月7日

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検分後、碁盤に揮毫(きごう)する張名人=9月7日

  1日目 | 2日目

左上で険しい攻防 名人が90手目を封じる

 新潟県長岡市のホテルニューオータニ長岡で8日始まった第31期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第1局は、左上の険しい攻防のさなかの同日午後5時37分、白番の張栩(ちょうう)名人(26)が90手目を封じて1日目を終えた。9日午前9時に再開する。持ち時間各8時間のうち、消費時間は名人3時間19分、先番の挑戦者・高尾紳路本因坊(29)は4時間18分。

 左辺の戦いで長考した挑戦者は、黒47に44分を投入。黒53まで穏やかに分かれた。ところが左上黒57ツケに、踏み込み鋭く白58とノゾいたことから一気に深刻な局面に突入した。名人は白66、72など最強手を繰り出し、挑戦者も黒85と厳しく追及する。左上が未解決のまま打ち掛けとなった。

 解説の加藤充志八段は「名人が険しい戦いに引きずり込んだ印象です。2日目は左上を一段落させたのち、ほかの大場へ向かう進行になりそうです」と話した。

(09/08 18:40)

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白88は「うっかりの一手」か

 張名人は白88を「3の二」と打ち、高尾本因坊が黒89を「3の一」と返す。

 この瞬間、張名人は表情が曇り、頭を抱えた。

 検討室では「張名人らしくないが、白88はうっかりの一手か」との声も。

 心の内は張名人本人のみが知るというところか。

(09/08 17:36)

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白58に、「ここまで、いくか!」

 午後に入って、検討室の加藤充志八段が一番驚いたのが、白58ノゾキ。 「白58で74ハネなら普通ですが、厳しい踏み込みです。 へええ、ここまで、いくかとびっくりしました」。 58以降は変化が多く、全部読み切れるとは思えない、という。白58に対し、黒59は仕方がない。

 一挙に抜き差しならない難しい局面になった。

(09/08 17:14)

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対局会場「ホテルニューオータニ長岡」で

 本対局が行われている「ホテルニューオータニ長岡」は長岡駅東口から傘なしで直通。わずか徒歩2分。

 全室でインターネットが利用可能であるため、出張などで来訪するビジネスマンにも好評。かくいう記者もこの速報にあたり、その恩恵にあずかっている。

 また、ホテルのオリジナルカレー「五十六カレー」も好評。日によっては、バイキング形式の朝食でこのカレーをいただくチャンスも。

 第1局2日目の翌日10日には、このホテルニューオータニ長岡で日本棋院主催の「日本棋院ファンサービスデー」が開催される。第31期囲碁名人戦を記念して子ども対象の囲碁講座・一般を対象の指導碁が開催される。囲碁ファンは長岡の観光もかねてぜひ参加してはいかがだろう。

 ホテルの周辺には良寛記念館、県立近代美術館、吉乃川酒造、玉川酒造、山本五十六記念館、漢学の里諸橋轍次記念館など、史跡やみどころが豊富だ。

(09/08 17:10)

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名人の白78手に、本因坊またもうめく

 張名人が打った白78手を受けて、高尾本因坊は長考。「わかんないなこれは」とうめく。

 その間、張名人は席を離れる。

 初日から勝負どころか。

(09/08 16:41)

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山本五十六と河井継之助と囲碁

 長岡と言えば、旧連合艦隊司令長官の山本五十六と、戊辰戦争時の長岡藩家老・河井継之助。

 2人は囲碁を打ったのか否か。

 阿川弘之氏の評伝などによると、山本はポーカーがことに好きで、もし無事に太平洋戦争が終われば、「ポーカーの賭けで暮らしたい」と冗談を言っていたという。

 囲碁については確たる根拠が乏しい。前長岡市立中央図書館長の郷土史家・稲川明雄さん(62)によると、囲碁をたしなんだとの記録は残っていないが、将棋は大好きで、海軍の幕僚相手に「百番勝負」を再三楽しんでいたという。「将棋は勝負が早いですからな、碁は長丁場なこともあって山本さんはどうやら好かなかったのではないでしょうか」

 一方、河井も囲碁を楽しんだとの記録は残っていない。 戊辰戦争につぎ、1945年8月1日の米軍機による空襲で市街の85%が消失した。そのせいで、大半の文書が焼けた事情もある。ただし、と稲川さんは付け加えた。「河井は幕末に横浜の貿易商を通じて、フランスの歩兵練書や『英国文典』を買っている。領収書が残っているんです。従って、ナポレオン戦法なども十分承知していたはずだが、戊辰戦争での戦線の整理や、察地(もとオランダ語からの翻訳、偵察して形勢をさぐり判断すること)が大変得意で、巧みだった。このことから察するに、囲碁をやっていたと十分考えられます。あくまで推測ですがね」

 皆さんは、どう想像されるだろうか。越後の城下町での囲碁談義でした。

(09/08 16:39)

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「次の一手」、お題は58手目 大盤解説会

 第1局が打たれているホテルニューオータニ長岡の2階「白鳥西の間」で、午後2時半より、片岡聡九段と青葉かおり四段による大盤解説会が開かれ、金曜日の昼間にもかかわらず、約100人のファンが集まった。

 大盤での解説のなか、「常識を超えた一手」「光った二手」などの言葉にうなずく参加者。また、青葉四段の「捨て石がマスターできれば6から7段ですね」との水向けに、片岡九段が「取られた石も捨て石と考えるくらいのほうがよいくらい」と返すと、場内は大きな笑いにつつまれた。

 「次の一手」のお題は白の58手目。「ヒントの出し方をどうしようか」と片岡九段。青葉四段が「賞品の数に応じてヒントを出すのも解説者の力量だそうで」と返すと、どっと笑いが起こった。15分の熟考。回答が多かったのは「7の五」と「8の四」。正解の「4の三」と答えたファンは9人。正解の9人に片岡九段は「才能がおありです。さすがですね」と声をかけ、うち5人には対局記念扇子、ほか4名には囲碁手帳がプレゼントされた。

(09/08 15:49)

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高尾本因坊、うなる

 張名人の48手目を受けて、高尾本因坊が長考。

 時折、本因坊のうめき声が聞こえる。

(09/08 13:32)

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対局再開

 午後1時に昼食休憩を終えて対局が再開。高尾挑戦者の47手目は3の十五。

(09/08 13:12)

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青葉四段のサイン「一生の宝」に

 第1局が打たれている「ホテルニューオータニ長岡」で、午前10時から正午まで、片岡聡九段、王唯任四段、青葉かおり四段による指導碁が開かれ、多くの囲碁ファンがつめかけた。

 長岡市在住の男性は「ファンである青葉四段に指導を受け、サインもいただいた。一生の宝にしたい」と話していた。また、会場には外国人のファンの姿も見受けられ、ファン層の幅の広さが感じられた。

(09/08 12:45)

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長岡は囲碁愛好者が多い城下町

 長岡囲碁連盟会長は明朗、快活、元気な74歳。

 会長の星勲(ほし・いさお)さんは、元中学校の先生。

 ちなみに星という姓は新潟と福島に多い。星会長の好きなものは、「1に酒、2が碁、3は(あえて略します、筆者〜男性一般が好きなもの)、4がスキー」 と破顔一笑する。

 新潟は名だたる酒所。いの一番に酒をあげたのもむべなるかな、顔色はつややかな、声には張りがある。とても古希を過ぎた老年とは見えない。スキーはアルペンスキーで、相当の腕前らしい。室内ゲームの囲碁、アウトドアのスキーと、バランスのとれた趣味を堪能してきた。「囲碁を知っていて、私の人生は本当に豊かなものです、知らなかったら、どんなに寂しいものだったか」。

 長岡は城下町で、囲碁愛好者が多いのが自慢らしい。囲碁大会の参加者は平均して200人を超え、250人なんて珍しくないらしい。人口28万人の中都市としては、確かに盛んなのだろう。県庁所在地で、近く政令指定都市昇格を計画している新潟市の囲碁大会参加者は「200人に届かないんだ、県内第二の都市の長岡の方が、新潟より囲碁は盛んなんです」。前日の前夜祭で、長岡囲碁連盟の面々はとても意気軒高だった。

(09/08 12:30)

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昼食休憩 再開は午後1時から

 第31期囲碁名人戦第1局1日目は、張名人が46手目を打ち、正午から昼食休憩に入った。午前中の消費時間は、張名人が1時間19分、高尾挑戦者が1時間41分。

 再開は午後1時から。

(09/08 12:12)

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白20の仕掛けから、おもしろい展開

 黒19までは穏やかな進行。名人の白20は工夫の一手で、双方が小刻みに時間を使い出した。白32のカカエに、挑戦者は黒33のシチョウアタリから35と左辺を連打。白36とさばきに出た名人は白42と激しく切りを入れ、戦いになりそうな局面を迎えている。

 解説の加藤充志八段は「白20の仕掛けから、おもしろい展開になりました。挑戦者は名人の手に乗り、自然に打ち進めています」と話した。

(09/08 12:12)

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名人の意欲がこめられた白20 平成の眠狂四郎・加藤充志八段

 白10まで、大変落ち着いた出だしです。ふつうというか、ありふれたというか。

 右下黒19までも定石で、まったくふつうの流れです。

 ところが右上の白20は、大変意欲的で、張名人らしい。石の効率を最高に求めています。

 この局面では右辺が大きいので、白10からヒラクのがふつうで堅実ですが、 名人は「堅実だけでは満足できない。100点満点の手はないか」 と考えた末の着手と推定します。

 白20は実戦例が少ないので、後の変化が未知数の世界という怖さがあるんです。でも、思い切って打っていった踏み込みの意欲に、名人の思いがこもっている、と見ます。

 右上の折衝で、白32とシチョウにカカえたあと、本因坊が左辺に黒33とシチョウアタリを打ち、白34抜き、黒35オサエも予想通りの展開です。

 白40まで、そうですね、「意欲的な名人、落ち着いた本因坊」といったところです。

 序盤は黒番が局面を動かしやすいが、この碁は白20から名人が局面を動かし、本因坊が落ち着いて迎え撃っている感じです。

 このあとも、面白い手が出てきそうで、わくわくします。

 ぼくの普段は眠そうに見える目は、もうすっかり「全開」です(笑い)。

(09/08 11:28)

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急戦になる変化を含む読み合い

 張栩(ちょうう)名人(26)に高尾紳路本因坊(29)が挑戦する第31期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第1局が8日、新潟県長岡市のホテルニューオータニ長岡で始まった。同市の市制100周年、市町村合併を記念した開幕戦だ。

 定刻午前9時、立会人の石田芳夫九段が「時間になりました」と告げて「握り」が行われ、先番は挑戦者に決まった。

 黒1、3、白4の三つの小目をシマり合い、最近では珍しい立ち上がりになった。右下も定石通りで、穏やかに進んだ。18分を費やした名人の白20は工夫の一手。急戦になる変化を含みながらの読み合いになっている。

 解説の加藤充志八段は「白20は最大限に石の効率を求める名人らしい一着。一気におもしろい展開になりました」と話した。

(09/08 10:47)

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張名人、めずらしく長考

 高尾本因坊が打った黒19を受けて、張名人としてはめずらしく長考。

 考える張名人を高尾本因坊が見つめる。

(09/08 09:46)

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長岡では10月にも囲碁のイベントを開催

 長岡では、10月7日に「米百俵囲碁まつり100面打ち大会」が開催される。マイケル・レドモンド九段、白江治彦八段、金川正明七段などのプロ棋士を招き、アマチュア100人を相手に、プロ棋士が対局を行う。詳しくは、長岡囲碁連盟(日本棋院長岡支部内)のFAX0258・35・4305へ。

(09/08 09:46)

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大盤解説会・指導碁を開催

 第1局第1日目の8日、9日には、対局場であるホテルニューオータニの2階「白鳥西の間」で大盤解説会および指導碁が行われる。指導碁は10時から12時まで。片岡聡九段、王唯任四段、青葉かおり四段、向井芳織初段が指導を行う。大盤解説会は14時30分から16時まで。片岡九段と聞き手に青葉四段。

(09/08 09:46)

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高尾本因坊、右上小目に第一着

 張栩名人(26)に高尾紳路本因坊(29)が挑戦する第31期囲碁名人戦七番勝負の第1局は8日午前9時、新潟県長岡市のホテルニューオータニ長岡で始まった。20代対決は名人戦史上初めて。張名人は3連覇を目指し、名人初挑戦の高尾本因坊は史上6人目の名人本因坊を期す。立会人は石田芳夫九段。

 「握り」で高尾本因坊の先番と決まり、第一着を右上小目に打ち下ろした。

(09/08 09:14)

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長岡市長を招き、華やかに前夜祭

 第31期囲碁名人戦第1局を翌日に控えた7日、会場となる新潟県長岡市の「ホテルニューオータニ長岡」で、張栩名人と高尾紳路本因坊による対局室検分が午後5時30分から始まった。両対局者は碁盤や照明などチェックし、問題がないことを確認した。

 検分終了後に両対局者は対局に使われる碁盤(日本棋院長岡支部長・福原淳一さん所有)に揮毫(きごう)した。

 午後6時半からは同ホテル内で前夜祭が行われ、関係者や囲碁ファンら約200人が集まった。

 第1局の舞台となる長岡市は、囲碁ファンが多い。また、中越地震の災害から復興しつつあるとともに、今年は市制100周年を迎えた。歓迎のあいさつに立った森民夫・長岡市長は、「市制100周年の本年、囲碁名人戦の対局の場となることを光栄に思っている。ここ長岡は、戊辰戦争時の長岡藩が救援米を国漢学校の資金に注ぎ込んだ『米百俵』でも有名なように、文化が根付いた土地。お二人にはここ長岡で歴史に残る名勝負をお願いしたい」と両対局者にエールを送った。

 この日は、石田芳夫九段、武宮正樹九段といった歴代名人、片岡聡九段、神田英九段、加藤充志八段などが顔を揃え、長岡囲碁連盟をはじめ大勢の囲碁ファンもつめかけ、華やかな前夜祭となった。

 挑戦者の高尾本因坊は、「名人戦は今年2度目の七番勝負。本因坊戦では同じ新潟県で予定していた第7局を打たずに済んだ。今回は、いまの日本で一番強い張名人と戦えるので、しっかりがんばりたい」と決意表明。これに対し、迎える立場の張名人は「最強の挑戦者高尾さんと対局できることを誇りに思っている。いいところをたくさん吸収して、自分の力を伸ばす最大のチャンスとしたい」と応じた。

 この後、両対局者は退場。石田九段、片岡九段、加藤八段が青葉かおり四段を司会に名人戦のみどころを語り合い、大いに盛り上がった。

(09/07)

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