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< 第31期名人戦七番勝負第3局  >
  先手 ● 高尾紳路 挑戦者     対   後手 ○ 張栩 名人

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棋譜
1〜15手

ダブる記憶

 「あれから1年か」

 第3局の舞台、神戸・有馬温泉の「御所坊」に到着すると、そう思わずにいられなかった。

 いまや名人戦対局地の定番となったしにせ旅館は、昨年、張名人が小林覚挑戦者と第5局を戦った場所でもある。立会人の石井邦生九段、解説の今村俊也九段も、あのときと同じ布陣。記憶をダブらせながら、盤側に座らせていただいた。

 挑戦者は小林から高尾になったが、もっと深刻な違いを実感していたのは名人だろう。3勝1敗と防衛目前だった昨年にくらべ、今年は2連敗と結果が残せていない。1年前を思い起こしながら気合を入れ直していたと思う。

 9月28日。対局が始まって早々、盤上も昨年を思い出させてくれた。名人の白8と大ゲイマにカケた手は、昨年の第1局でも現れた手法だ。

 黒7がAの位置のときの白8ならば、アマ有段者の覚えておきたい定石として専門書がいくらでもある。黒のハサミが厳しい実戦は、まだ定石に落ち着いてはいない。

 黒9とブツカって白14のサガリまで、部分的に昨年と同じ進行をたどっていく。ここでBのカタツギではなく、黒15とカケツいだのが挑戦者の工夫だった。

 今村解説者は「黒15によって挑戦者が先に仕掛ける形になりました」という。同じ断点を守る手が、たった一路の差でどうして仕掛けになるのだろうか。 [次の譜へ]

(伊藤衆生)

2006年11月10日


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