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< 第31期名人戦七番勝負第4局 >
  先手 ● 張栩 名人     対   後手 ○ 高尾紳路 挑戦者

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棋譜
1〜25手

厚み対実利

 「お願いします」といいながら頭を下げると、張栩名人は第一着、小目を石音高らかに打ちつけ、腕を伸ばした状態で2、3秒静止した。

 ひと呼吸おいて、高尾紳路挑戦者は白2の小目。名人愛用の黒3一間ガカリを誘っているかのようだ。

 挑戦者2連勝のあと、名人が1勝を返して迎えた第4局の舞台は、静岡県熱海市の「あたみ石亭」。両対局者が訪れたのは初めてだが、名人戦挑戦手合だけでも、本局を含め8回打たれているおなじみの対局場だ。

 第3局からこの碁までの10日ほど、挑戦者の手合は非公式戦のインターネット対局が1局。

 一方、名人は3局もこなすハードスケジュールだった。そのうち1局は京都まで赴き、早碁棋戦のトーナメント決勝で羽根直樹九段を破り、優勝を果たしている。移動日を考えると、家でゆっくりできた時間はほとんどなかっただろう。

 黒9とシマり、穏やかな立ち上がりだ。しかし挑戦者は早々にぼやき始める。「わからん」と短くつぶやいて、白10にカカった。

 名人は最初の長考に沈む。30分かけて決断した黒11のハサミで、本局の方針を示した。白12のツケから黒25まで、定石がばたばたと完成すると、黒の厚み、白の実利という構図がくっきりと浮かび上がった。

 両者本来の棋風とは、全く反対の進行だ。 [次の譜へ]

(内藤由起子)

2006年11月17日


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