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< 第31期名人戦七番勝負第6局  >
  先手 ● 張栩 名人     対   後手 ○ 高尾紳路 挑戦者

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棋譜
1〜11手

第5局の価値

 「すごい、すごい。勝っちゃったよ!」

 大仕掛けのマジックでも見せつけられているかのようだった。第5局の名人の踏ん張りを中継する衛星放送に見入っていた、日本棋院本院の記者室の面々。みんな、うれしそうだった。

 第4局でカド番。しかも勝っているはずと思っていたら半目足らない。後に尾を引く負け方でこれ以上はないだろう。それをはね返した彼をたたえたくなるのは自然な感情だ。ただし、第6局で名人位は高尾に移る。第5局の勝ち星はいったいどんな意味を持つのか。

 10年、20年先に張の打ち碁集が出たとしよう。きっと、第4局は激闘譜として大きく扱われる。しかし、第5局がその次のページに載っているかは疑問。負けたシリーズの中の一局は、それほどの輝きを持たない。

 しかし、逆境の中の白星。トップレベルの棋士をさらに強くするのは、華々しい勝利ではない。意味を持たせるのも、気合のコントロールも難しい、こんな状況を乗り越えたときだ。

 11月2日、対局開始の朝。2人に変わった様子はない。いつものように始まったが、そんなところに迫力を感じた。

 白8はAと高いほうがさばきやすく、また白10はBが一般的。高尾は黒の間合いギリギリまで詰め寄っているようだ。

 張は挑発に乗らず、黒9で間合いを保つ。高尾の気迫をいなしにいく。 [次の譜へ]

(松浦孝仁)

2006年12月08日


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