1〜22手
臨戦態勢で待つ
開始5分前、先に対局室の幽玄の間に顔を見せたのは、王銘エンだった。なにかしら声をかけてくることが多いのに、きょうはこちらからあいさつしても、聞いてか聞かずか、まっすぐ盤に向かう。
続いて入ってきた高尾紳路は、会釈をしながら上座についた。
開始前なのに王はもう、両こぶしで体重を支え、前傾姿勢で盤上を見つめている。
握って王の黒番となった。開始を知らせるブザーが鳴っても、王の態勢は変わらない。2分たってようやく第一着の星が打たれた。
名人戦リーグふたつめのいすは、リーグ落ち即復帰を狙う王と初参加を目指す高尾の間で争われた。
白14のカカリに黒が15とハサむと、高尾は白16とハサミ返した。黒17でAのコスミだと、白17と押し黒B、白Cケイマと競り合いになり、混戦が予想される。「Aとはコスみにくいなあ、なんとなく」と王。
そこで黒は17とツケたが、これを高尾は待っていたという。白20とサガり黒21のカカエまで、右下は白注文の形となった。ゆっくりとした立ち上がりだ。
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(内藤由起子)

高尾紳路本因坊のここまでの勝ち上がり
2006年01月03日