1〜16手
意味不明?
みなさんの驚く顔が目に浮かぶ。白16は誤植でもなんでもない。石を落としたのでもなければ手が滑ったわけでもない。彦坂がこの一手と信じて打ったツケだ。
彦坂、三村はともにリーグ戦新参加組。棋士序列に従い、三村が名古屋市の日本棋院中部総本部へ赴いた。
朝日がまぶしかった。気を抜くと眠くなりそうな気持ちいい朝。でも、長持ちはしなかった。
黒1から5は、かなりの支持率を持つ石組みだろう。白6なら黒は左上には向かわない。白6で14、もしくは小ゲイマに受けてくれれば黒Aのミニ中国流の予定だ。
右下白8から12もおもしろいと、名人戦初解説の蘇耀国八段。
「以前は白12の前に白B、黒Cを決めた碁も少なくなかった。黒D、白E、黒Fを防ぐためです。しかし、黒F、白Gと利かされるマイナスも大きく、いまは実戦の進行が主流です」
さて、いよいよ左上。黒13から15の3手は説明の必要もないほど自然。次の一手にもそれほど悩む場面ではない。ところが、彦坂は碁石にさわろうともしない。カゼにやられてマスク姿。時々せき込んでいたから、てっきり体調のせいかと想像してしまった。
「すぐに打ってこなかったから、何かやってくるという予感はありました」と、三村。東京の棋士たちは、「こんなのありえない」と、否定的な意見。地元、名古屋勢だけは、「やっぱり彦坂先生だね」と、どこかうれしそうだった。
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(松浦孝仁)
2007年02月16日