ここから本文エリア現在位置asahi.comトップ > 囲碁 > 名人戦観戦記 > 記事記事

< 第32期名人戦挑戦者決定リーグ第12局 >
  先手 ● 黄翊祖 七段     対   後手 ○ 山下敬吾 棋聖

別ウインドウで開きます打ち手再生 | 使い方

棋譜
現在は 第1譜 | 第2譜 | 第3譜 | 第4譜 | 第5譜 | 第6譜
1〜31手

山下ばりの攻め

 戦闘力にずばぬけた山下の棋風が、最近、柔軟になったのは自他ともに認めるところだ。以前ほど力碁一辺倒ではなくなった。だが第一印象というのは恐ろしい。山下の打った棋譜をぱっと眺めれば、だいたい攻めているほうが山下だと思えてしまう。

 その山下と黄による本局もいい例だ。テレビ棋戦の収録を終えて観戦に加わった解説の趙善津九段も同じ錯覚をしたらしい。「最初は黒が山下君だと思いましたよ」。手順をざっと追っていただこう。黒番の黄が攻めている。それも山下ばりの高圧的な攻めだ。

 具体的にみていくと、どちらが先に仕掛けたのかは微妙だ。右上黒9に続いて白30、黒A、白B、黒C、白Dと進む流行定石は、5に先着している黒の注文だろう。そこで上辺へ白10。黒は13と白の進路を止め、白は14、16と一歩一歩頭を出す。白の足は遅いようでも、のちの逆襲を計算に入れている。

 黒17に対して、白は単に22もある。山下が白18を選んだため、黒25までと中央の厚みをかなり立派にさせてしまった。当然、その代償を攻めに求めるのだが。

 趙「ここで白Eのツケを考えたかった。黒Fには白29、黒G、白Hです。怖い手ですが、右側の黒をやっつけるくらいの手がないのであれば、白18は問題かもしれません」

 山下の手は左側白26に向かう。確かにここも黒にとって嫌みな場所ではある。しかし、黄は構わず黒27、29。右上一帯の力関係は完全に黒が上回った。 [次の譜へ]

(伊藤衆生)

2007年03月30日


この記事の関連情報

朝日新聞サービス

ここから広告です
広告終わり

囲碁ピックアップ

ねっとde碁

名人戦名局百選

∧このページのトップに戻る
asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。 Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.