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黒山田規三生  九段   対   白彦坂直人  九段

疑問だらけ

2007年04月06日

 不思議な碁だった。

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棋譜

 局後の感想を聞いているうちに、ナゾは深まるばかり。解説役の溝上知親八段もはじめは「何だったのでしょうか。わからないことだらけです」と、首をかしげていたほどだ。

 3戦全勝でリーグトップを走る山田規三生と、まだ勝ち星に恵まれない彦坂直人の一戦は、山田の本拠地、大阪・日本棋院関西総本部で打たれた。1年半前に関西総本部が移転し、新しくなってから、彦坂は初めてやってきたという。飲み物の自販機や手洗いの場所を確かめ、席に着いた。

 地元の山田が1分遅刻し、倍の2分が差し引かれて対局が始まった。

 黒7のハサミに、白は手を抜いて8と右上のハサミにまわった。白14のヒラキまでは、昔からよく見る定石。

 黒15のコスミツケから最初の折衝が始まった。白は16とカケたが、黒17にグズまれると白19とまともにオサえるわけにはいかない。黒Aの切りが厳しすぎるからだ。そこで白は18とツケてかわったが、黒19にぐっと出られると、裂かれ形になる。

 なんだか白が苦しくなったのかと思っていたら「白は14と上辺に待っているので、有力な打ち方です。まだ決定版はありませんが、依田紀基先生の実戦でも見たことがあります」と溝上解説者。

 白20のハネに対して、黒は悩ましい。作戦の岐路だ。

 山田は10分ほど考えて黒21にノビ。これが「不思議」の発端になったのかもしれない。

(内藤由起子)

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