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黒張栩  碁聖   対   白坂井秀至  七段

初手合

2007年04月13日

 坂井がプロに転向したのは6年前。その直後にある雑誌の企画で張と対戦した。結果はいいところなく敗れた。張は持ち時間をかなり残し、坂井は秒読み。勝負は時の運とも言うけれど、あの時点ではかなりの差があったと記者はふんでいる。

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棋譜

 今日はその張との一戦。実は両者、公式戦初手合だ。坂井が名人戦リーグ参加を決めたのは張が名人位に就いていたとき。記者はこの顔合わせを待っていた。坂井の上昇度を測るには、張との対戦を見るに限る。ずっとこう思っていた。

 黒3のケンカ小目から5のカカリを迎え、坂井は白6のコスミを選択。もちろん6目半のコミを意識したもので、最近ぐんぐん増えてきた。

 黒9は珍しい部類に入るか。二間ではなく三間ビラキの白10は、24にツケる価値を高める狙い。続いてオーソドックスな黒Aから符号順に黒Gの進行になった際、黒の厚みから離れている。

 張は相変わらず地にカラい。右下に注目だ。

 「黒11、白12から黒Hにトンだ碁は記憶にありません。白16や15で、とりあえず地の損と考えているのでしょう」と解説の結城聡九段。さらに張独特の世界は続き、黒19の三々もカラい。白22までの勢力は黒9が消してくれるとの判断だ。もっとも、白Iのオキを防ぐために黒も23と一手必要。形勢が動いているわけではない。

 白も黒も三線が主体の石組みになった。こんな碁はきっと細かくなる。この日の記者は、いつになくさえていた。

(松浦孝仁)

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