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黒山下敬吾  棋聖   対   白依田紀基  九段

布石で遅れる

2007年05月11日

 十段戦挑戦手合真っ最中の山下敬吾は、今年に入っても番碁が続くハードスケジュール。

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棋譜

 依田紀基は、先日、本因坊への挑戦を射止めたばかり。04年に名人位を失って以来の七番勝負登場となる。

 碁界きっての多忙なふたりのため、4月に予定されていた第5ラウンドの本局は、3月下旬に繰り上がって打たれた。

 白6の小ゲイマガカリに黒が7とコスむと、依田の手が止まった。「右下に白のカカリがないときのコスミは珍しい」と解説役の佐藤昌晴九段。局後、「7はいい手だったね」と感心していた依田は、早くも34分の長考に沈んだ。

 白は8、10のツケ引きから12とケイマし、すでに見たことのない布石になった。

 白14の変則ガカリに黒は15とコスんで、隅へのさばきを封じた。白は左下に向かい、16とカドの急所に迫る。黒17で18に押し、白Aに引かせてから17とワタリを止めるのは、白B、黒21、白Cと競り合い、右辺にある黒模様のほうに追い込むことになる。黒は、単に17とコスむのがいい。

 白20の切りに24分、黒21のノビ切りに42分、白24には36分と、両者ともにじっくり時間を投じる。こんな手数なのに、もう午後3時が近い。

 黒25のカカエまで「切った白20をそのまま取られたのはどうだったか。黒不満のない分かれです」と佐藤解説者。

 布石のうまさには定評のある依田だが、徐々に立ち遅れていく。

(内藤由起子)

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