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黒山田規三生  九段   対   白小林覚  九段

四十会

2007年05月25日

 「四十会」という名の研究会がある。会員は小林覚、片岡聡、王立誠、王銘エンの4人だけの小型研究会だ。

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棋譜

 源氏物語・空蝉(うつせみ)の巻に有名な対局場面があり、「……三十四十(みそよそ)」と地を数える様子がえがかれている。四十はここからとり、よそと優雅に読むのかと勝手に想像したのだが違った。

 しじゅうが正しく、体力的分岐点である40歳代を、協力して乗り切ろうという研究会らしい。

 48歳になったばかりの小林、けげんな顔で席につこうとした。そのわけは、「前局が白番だったので、黒番と思い込んでいた。もうろくが始まったのかもしれない」。

 34歳の山田は黒1、3の向かい小目から5とまん中に構える布陣。流行というほどではないとしても、最近時おり見かける左右同形だ。

 小林の足どりは軽快で若々しい。白10の二間高ガカリ一本で12を急ぐ。解説は小林と同じ48歳の王立誠。

 「同じような場面で黒13とハサまれたとき、白はどうしたらいいか、四十会で研究したことがあります。白14が最善だろうとの結論でした」

 黒15を許しても、いろいろな味、たとえば白Aのハネ出しの残るのが自慢だ。

 白16、黒17と大どころを占めあったあとの白20も、軽やかではないか。と思いきや、小林は反省しきりだった。

 「白Bとシンを止めなくてはいけない。これなら模様の争いに負けず、楽しみの多い序盤でしょう」

(春秋子)

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