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< 第32期名人戦挑戦者決定リーグ第20局 観戦記 > 軽さ対策2007年06月01日 リーグ戦の持ち時間は1人5時間。1日で打ち切る碁としてはとても長く、棋士たちはじっくりと構想を練り、部分の変化を慎重に読むことができる。だが、常にプラスに働くかというとそうでもない。長い道中で対局者の心理は揺れ動き、着手に大きく影響する。本局には、そんな長時間の碁の怖さが表れる。
坂井の本拠地・関西棋院に彦坂を迎えて打たれた一局。リーグのシード順3位の坂井は、すでに上位2人との対局を終えているため、あとはすべて地元で対局できる。 序盤、手順を追ってまず気になるのは、白8の二間トビだろう。 解説の今村俊也九段は「彦坂さんの碁は、重厚にグイグイ行くのではなく、軽く打ってのさばきが主体。黒石の多い上辺を軽く白8とトンだのも彼らしい」と話す。 彦坂の軽さに坂井は対策を講じる。「変な手だけど、白を重くしたかった」という黒19のコスミツケだ。「気が付きませんが、なかなかおもしろい手です」と解説者。白Aに引けば黒Bのハネが気持ちよく、白Bならば黒A、白C、黒Dの切りまで狙える。黒のペースに持ち込めそうだ。 もちろん彦坂は直接行動には出ず、白20とツケてさばきの準備に入る。白22のブツカリに黒23のアテを待って、3分の少考で白24。さばきのツケである。 彦坂「白Eとアテ返すことも考えたけれど、24も打ってみたい手だったんだ」 ところが、この白24が彦坂の苦難の始まりとなる。 (伊藤衆生) |
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