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黒坂井秀至  七段   対   白彦坂直人  九段

最善を選べず

2007年06月01日

 坂井は形勢に自信を持っていた。上辺に白の弱い一団が二つあり、どう打っても黒が戦いの主導権を握る。でも、そういうときが案外あぶない。事実「黒49の前にAのノゾキを決めるんだった」という反省が出た。あるいは決定的なチャンスが訪れていたことに気づいていなかったか。

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棋譜

 参考図黒1、白2の交換に続いて、検討室の石井新蔵九段が推奨した黒3のアテコミが好手。黒5とトンで、白6なら黒7。白が左側を助ければ黒6で右側が動けない。「白のつぶれに近い状態です」と今村解説者だ。

 黒3のミソは白aを防いでいること。黒b、白c、黒dでダメヅマリのため黒は渡っている。譜の黒49よりも働いているのは明らかだ。

 すると窮地にあった彦坂に生気が戻ってきた。白50と急所をオサえて石の連携にも張りが出てくる。黒53で右上はほぼ取られたものの、左上の黒を先手で封鎖することに成功した。黒53ではBと押すのがよかったようだ。

 今村「右上で得をしたので黒よしですが、封鎖も大きく、形勢は接近しています」

 彦坂は白64のハサミ。迷路から脱し、追い込みにかける。

(伊藤衆生)

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