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黒彦坂直人  九段   対   白山下敬吾  棋聖

彦坂は強い

2007年06月15日

 2人とも挑戦権よりリーグ残留が気になる星取り。とくに新参加の彦坂は序列が最下位なので、5敗になればほとんどアウトだ。山下は序列2位。ここから全部勝てばまだ挑戦権は狙える。しかし、昨年から王座戦、天元戦、年が明けて棋聖戦、十段戦とタイトル戦に出ずっぱり。こちらは体調管理、集中力の持続が鍵だろう。

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棋譜

 みなさんは名人戦リーグの怖さ、厳しさを再認識していると思う。棋聖、王座の山下でも挑戦者になるのは簡単ではないのかと。ただし、これは的を射た表現ではない。もう一文必要だ。「彦坂でさえ挑戦者になるのは難しいのか」と。

 解説の片岡聡九段に彦坂評をきいてみた。

 「アマチュアのみなさんにはうまく伝わっていないのかもしれません。はっきり、強いです」

 本局で彦坂ファンは急増するかもしれない。棋聖を相手に完勝の内容だ。それも、いっさいの妥協をせずに。

 彦坂の持ち味はなにかと、あれこれ考えてみた。結論は「構想の幅広さ」。プロなら当たり前だが、そこに独特の感性が加わる。黒9に注目だ。定石の黒A、白B、黒Cを彦坂は好まないという。

 片岡「黒9を甘くしようと白Dへケイマされたら、黒E、白F、黒Gのツケ引きで応えるつもりでしょう。なるほど、白はおかしな姿です。また、白Hなら黒I、白G、黒Jとナダれる調子があります。いずれも黒9がかすむことはありません」

 見慣れない立ち上がり。この辺りまでは落ち着いていた。

(松浦孝仁)

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