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黒小林覚  九段   対   白張栩  碁聖

挑戦者決定の局

2007年08月17日

 台風と地震で7月は散々だった。碁どころじゃないというファンもおられるだろうが、なにとぞご容赦を。

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棋譜

 張栩も激震に見舞われた。17連勝と快調にとばしながら本局の直前、大きな目標としてきた国際棋戦の世界選手権・富士通杯の準決勝で敗れ、連勝が止まったことである。終局後の張はことばをかけるのもはばかられるくらいに落胆していた。かくなるうえは名人戦の挑戦者になり、もう一つの大目標である打倒高尾をめざす一手だ。

 さて読者は張が挑戦権を獲得したのを知っている。その戦いの跡を高木祥一九段の解説とともに振り返ろう。

 右上白12までの型は前局の坂井秀至―三村智保戦でもできた。黒7の上ツケは坂井や小林覚の好みらしい。好みといえば白8のツケ返しもそう。張が白11とハネるのをほとんど見ない。

 黒13には白14と切って調子を求める。次の黒15が比較的珍しい。よくあるのが黒21にアテ、白16、黒15の手順。続いて白19、黒22、白A、黒Bと進むのは定石通ならよくご存じだろう。その形より実戦の方がピタッと決まって外側が厚いと小林は見た。ただし白20でCにトブ難解型を選べばどうなるかは、プロの間でも未解決だ。

 高木「右上は部分的には黒に不満がないでしょう。もっとも張さんが簡明型をとったのは模様をこわがらず、白の実利に自信があるからだと思います」

 最先端の定石のあとは一転する。

(春秋子)

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