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黒山下敬吾  棋聖   対   白小林覚  九段

来期に向けて

2007年08月31日

 8月2日。碁界でいちばん長く、そして熱い日といわれる名人戦リーグ最終ラウンド。今期は前月の第8ラウンドで張栩前名人が挑戦を決めたため、いつものようなピリピリした雰囲気はなかった。猛暑だから、ちょうどよかったかな。

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棋譜

 リーグ戦終盤の見どころはもう一つある。そう、次期リーグ戦のシード権争いだ。残留を決めているのは張のほかに坂井秀至、山田規三生、依田紀基。残り二つのイスを3勝4敗の小林、4勝3敗の三村智保、すでに4勝4敗で打ち上げた黄翊祖で奪い合う。

 小林は序列が上位のため、勝てば残留、負ければリーグ落ちと分かりやすい。山下はいったいどうしたことか。1勝6敗の成績はファンも納得がいかないはず。もっとも、内容が悪いわけではないとの評判だから、すぐに戻ってくるだろう。

 序盤から山下が意欲的だ。黒5のカカリ一本から黒7と中国流を敷き、白8になんと黒9のコスミツケ。驚くほかない。

 「黒の注文は黒11のあと白13、黒21の進行。これは白が重くて大変でしょう。実戦の白12は妥当なところで、以下は一本道です」と解説の小松英樹九段。黒15でAなら白に根拠を与えなくてすむが、白Bのハネ出しがうるさい。続いて黒15、白C、黒17、白Dの戦いは黒が被告の立場だろう。

 白20までで一段落。中国流の構えの中で早々と治まった白に不満はないとみるのが一般的か。もちろん、形勢をうんぬんする段階ではない。

(松浦孝仁)

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