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< 第32期名人戦挑戦者決定リーグ第35局 観戦記 >
黒坂井秀至  七段   対   白山田規三生  九段

  • 総譜 1〜138手
  •  

碁における品格

2007年09月14日

【白中押し勝ち】138手完

 なにかと話題の品格。棋道に品性はもちろん必要だと思うが、戦いには品などいっている場合ではないこともある。

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棋譜 59コウ取る(53)、64同(4)、67、70各同、100ツグ(97)

 両者ともに4勝3敗で迎えた一局。来期リーグのシード順2位を争う。

 黒31(7の三)から白の懐をえぐって、がめつく生きたのは、少々品がないと検討陣。坂井も百も承知で「偉い先生たちには見せたくない打ち方でした」。

 「白48は天王山。右上はどうせ味が悪いので、黒47(15の六)では手を抜いて48に向かうべきでした」と解説役の苑田勇一九段。黒49(16の九)でも78(7の八)にツケて左上の安定をはかるほうがまさった。

 右下黒51(17の十七)から仕掛ける坂井に対して、山田は冷静に対処する。白60(3の十四)、62と先手ではっきり生きたのが機敏で、白に心配な石がなくなり、大優勢を確立した。

 さらに山田は白74(3の二)から88(7の十二)とうまい手順で黒を攻め立てる。とどめは白108(11の十八)から120の捨て石だ。「品がないから気が差しますが、終盤に品はいりません。勝ちなれている人が打てる勝着です。すばらしい」と苑田解説者。

 最後は坂井が見損じ、黒131(13の二)と広げたため死んで終わった。「クサイと思わんとはあかんな。嗅覚(きゅうかく)が足らん」。坂井は来期も3位で挑戦権を狙う。

(内藤由起子)

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