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黒彦坂直人  九段   対   白依田紀基  九段

  • 総譜 1〜225手
  •  

最後も半目

2007年09月21日

【黒半目勝ち】225手完

 依田「最後、白198(19の八)で201(11の十二)とカケツげばどうだったんだろう。白が勝っていると思うが」

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棋譜 55コウ取る(45)、58同(52)、62ツグ(45)、125同(116)、152コウ取る(112)、155同(149)、158、161、164各同、191同(101)、200ツグ(127)、209同(76)、221同(120)、223同(142)、224同(159)、225同(20)

 彦坂「そう、白の半目勝ちでしたね。黒はずうっと負けていた」

 今期の依田を象徴する最終戦だった。左上の珍しい変化から、白は一挙に左辺を囲い、黒は上辺と右辺を結んでななめの地をつくる思い切った展開。右上白104(17の五)がうまく、隅を取ってわずかに抜け出したはずだが、最後に間違えてしまった。

 依田に限らず、半目の決着が目立つのは、リードしている方が安全策をとりすぎるか、ぎりぎりの追及をためらうからだろう。この点が昔とは大きく違う。

 たとえば300年以上前の本因坊道策。どんなにリードしようと最強手で負かしにいった。幕末の本因坊秀策は安全策をとるにしても、ふるえることはありえず、絶対に抜かせない安定感があった。時間制限のない時代と現代を同一に論じられないとしても、先人がどう終盤を乗り切ったか、碁界全体で振り返る必要があるのではないか。

 依田の打ち分けは本人が一番不満だろう。彦坂は1勝が足らず、残念ながらリーグ落ち。来期も元気な姿を見せてほしいものだ。

(春秋子)

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