|
< 第32期名人戦七番勝負第1局 観戦記 > 食い違い2007年10月05日 本局は2日目の午後4時前に終局し、その場の検討は数分。もしかしたらと思っていたら、昨年同様、夕食の後に再び検討が始まった。その中で最も時間を割いたのは本譜からの約30手。両者の本音を楽しもう。
両側を△に固められているので、白52に対して何か反発するのは考えにくい。名人は白54で55を予想していたというが、実戦の白も的確に急所を占めている。 その証拠が白56の切りだ。前譜で紹介したとおり、白52ですぐに56を決行するのは黒58にカカえられ最悪の取引になる。実戦のタイミングだと一転、白満足の分かれになるという。 参考図の黒1に白2、4は当然。黒は7と連絡し、白は12まで治まり形を得ることになる。 実はこの変化、検討室では黒相当との評価だった。ところが両対局者は白を支持。黒5を損と見たのだろう。この切りは白8と打たせるために必要な犠打で、単に黒7は白10のノビで左辺の白一子と連絡されてしまう。また、白12の急所のハネも、白は気持ちいい。 大きな違いはもう一つある。図の白はほぼ生きているが、実戦の白はわずかながら眼形の心配がある。それは後に現れ、黒の勝利を確定させる。 絶対のスベリに映る白60は、挑戦者後悔の一着だった。 (松浦孝仁) |
ここから広告です 広告終わり 一覧企画特集
囲碁の本
囲碁関連グッズ
どらく
鮮明フル画面
朝日新聞社から |