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第32期名人戦七番勝負第1局

【9月6、7日 広島全日空ホテル(広島県広島市)】
黒 高尾紳路 名人   対   白 張栩 碁聖

  1日目 | 2日目

写真 立会人の武宮正樹九段に封じ手を書き入れた棋譜を手渡す高尾紳路名人。張栩碁聖は疲れが出たのか、眼を押さえていた
写真 小松英樹九段(右)と梅沢由香里女流棋聖が大盤解説
写真 1日目の昼食。張碁聖はこれとは別のメニューを所望した
写真 厳しさの中にも笑顔あり。アマチュアに教える梅沢女流棋聖
写真 検討室の大竹英雄名誉碁聖。「とても面白くて、優雅だね」
写真 第一着を打ち下ろす高尾紳路名人。左は挑戦者の張栩碁聖
写真 第32期囲碁名人戦前夜祭で勝負前の抱負を語る、高尾紳路名人(左)と張栩挑戦者=9月5日
写真 前夜祭で、壇上にあがったプロ棋士たち=9月5日
写真 第32期囲碁名人戦第1局の対局室。碁盤の真上にビデオカメラが設置されている=9月5日
写真 第32期囲碁名人戦の対局室で碁盤を確かめる、高尾紳路名人(右)と張栩挑戦者=9月5日

高尾名人が85手目封じる

 第32期囲碁名人戦七番勝負の第1局は午後5時30分、黒番の高尾名人が85手目を封じて1日目を終えた。7日午前9時に再開する。持ち時間各8時間のうち、消費は高尾名人は4時間7分、張挑戦者3時間23分。

 序盤から、手厚い名人と地にからい挑戦者の持ち味が出た1日目は、昨年の2人の名人戦同様、速いテンポで進んだ。

 昼休憩後の黒45、47から上辺の攻防が焦点に。白52のツケを足がかりにしてサバいた挑戦者に対し、名人は黒61、63と中央の大模様で対抗する。

 挑戦者は黒模様に深入りせず、中央(黒)と辺(白)の囲い合いになった。各所で決まりが付き、検討陣からは「明日の終局は早いか」との声も出ている。

 解説の片岡聡九段は「すでに大ヨセに入ろうかとも思える状況。残るは右下一帯と上辺の模様の止まり具合などが気にかかります」と話した。

2007年09月06日19時06分

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形勢は極めて細かい

 封じ手直前の形勢について、大盤解説の小松九段は「既にどちらかがいいのに違いないが、我々にはなかなか分かりにくい。どちらにしても形勢は極めて細かく、両対局者は今晩ヨセの手順を考え出すと止まらず、リラックスできないはずですよ」。

2007年09月06日18時02分

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挑戦者は自信持ち、名人は「しようがない」と思っている

 大盤解説場で小松英樹九段は「この囲い合いの具合を見ると、張挑戦者は自信を持っているに違いなく、高尾名人は『しようがない』と思っているでしょう」。「しようがない」というのは、非勢を意識という意味ではなく、堂々と自分なりに確信を持って打っているのだから、大丈夫という意味らしい。

 高尾名人の師匠の藤沢秀行名誉棋聖の口癖のひとつに「勝負は勝ちか負けるか、二つしかない。どっちになるかだけだよ」というのがある。

 高尾名人は少年時代から師匠の教えを、耳にたこができるぐらい聞いて育ったはずだ。だから、じたばたしない棋風が身につき、堂々とした態度で打ち進めるのだ、というのが小松解説者の説明だった。

2007年09月06日16時55分

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白62は辛抱の手

 ホテル3階の大盤解説場に、立会人の武宮正樹九段が飛び入り解説。

 中央の黒の大模様に対し、白は右上隅や右辺、上辺に地を確保する対照的な展開になったところで、武宮九段は「右辺の白62は辛抱のいい手ですね。白は『これでダメなら仕方ない』という感じで、もう計算ができているのかもしれませんよ」。

 「白62で治勲さん(趙治勲十段)なら、左方黒63の右上方の大ゲイマぐらいに打ち込んだかもしれない」と言って会場を沸かしていた。

2007年09月06日16時15分

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小松九段と梅沢女流棋聖が絶妙な大盤解説

 ホテル内では午後2時から、小松英樹九段と梅沢由香里女流棋聖による大盤解説会が開かれた。囲碁愛好家100人ほどが詰めかけ、二人の歯切れよいトークに時折りうなずきながら聞き入っていた。

 64手目を予想する「次の一手」クイズでは、解説者から3通りの手とその他の計4パターンの選択肢が示され、来場者は自分の予想を紙に書いて応募した。実際に張碁聖が打った手は「その他」に。正解者には記念扇子や対局ノートがプレゼントされた。

2007年09月06日15時58分

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黒は模様で勝負

 白50からの上辺のサバキは、白まずまずではないかという検討陣の評判。

 名人は右辺黒61に白62と受けさせ、左辺を黒63と止める。目に見える地は白が多いが、碁盤に両手が入りそうなほどの大模様で対抗する。

2007年09月06日15時34分

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「難しいねえ」

 黒55のマゲを見て、検討室の研究も熱がこもってきた。「切ってみたいねえ」と口をそろえた瞬間に、予想どおりの白56が打たれる。この後の変化を並べながら、立会人の武宮九段が「難しいねえ」とうなる。

2007年09月06日14時33分

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挑戦者、サバキに出る

 上辺、黒47のボウシに挑戦者は白48といっぱいにツメる。黒49の打ち込みを待って、白50、52とサバキに出た。上辺は黒の勢力圏。もし、白がうまく立ち回れば、形勢が傾くこともある。

2007年09月06日14時28分

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対局再開

 午後1時に昼食休憩を終えて対局が再開した。高尾名人の45手目は12の五。

2007年09月06日13時03分

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黒25ハネダシは決断の一着

 名人は黒25に35分かけた。黒25から白42までは、ほぼ一直線で打たれて一段落。

 朝日新聞解説の片岡聡九段は「白24は感じの出た手です。名人の黒25は、思い切った決断の一着。そのあとは一つのスジで、実戦の展開は自然な流れでしょう。右上の評価は、今後の展開を見ないと難しい。とりあえず次の焦点は、上辺白の一子を黒がどう攻めていくかです」。

2007年09月06日12時07分

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昼食休憩、再開は午後1時

 第32期囲碁名人戦七番勝負第1局1日目は、高尾名人が45手目を考慮中に昼食休憩に入った。持ち時間各8時間のうち、ここまでの消費時間は高尾名人が1時間50分、張碁聖が1時間10分。再開は午後1時。

2007年09月06日12時00分

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「とても面白くて、優雅だね」大竹英雄名誉碁聖、ご機嫌

 3カ月前に日本棋院副理事長になった大竹英雄名誉碁聖は、検討室で白24までの序盤について「いかにも七番勝負の第1局らしい立ち上がりだね。二人とも七番勝負が始まった喜びを素直に表現しているんですよ。皆さんも見た感じでお分かりでしょう、ちっともぎすぎすしていなくて、ゆったり、伸びやか、優雅でいいねぇ」。

 とくに、下辺の黒15大ゲイマ、左辺の黒21ボウシ、右辺の白24などに驚きと自然な石の流れを感じるという。

 「アマチュアの皆さんにぜひ感じて欲しいのは、黒23のトビや白24など、ここに石があったらいいな、という感じのところに石が展開していく喜びなんです。プロもアマもこの感覚は共通なんですよ」と強調していた。

2007年09月06日11時25分

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名人、黒番は9割近い勝率

 先番(黒番)に決まった高尾名人は、今年、黒番の勝率が0.882(15勝2敗)と抜群に高い。逆に白番では0.357(5勝9敗)と意外にも負け越している。

 一方の張挑戦者は、白番の勝率が0.826(19勝4敗)で、黒番の勝率0.731(19勝7敗)を上回っている。

 互いに得意? な手番となった第1局。どちらが制するか。

2007年09月06日10時54分

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梅沢女流棋聖らが指導碁

 ホテル4階の大盤解説場で、梅沢由香里女流棋聖、小松英樹九段、山本賢太郎四段による指導碁が午前10時から始まった。

 それぞれ、アマの腕自慢6人を相手にし、周りでは見物するファンが興味深く見つめていた。指導碁を受ける人は事前に申し込んで抽選に当たった人。ある会社の社長さんは「梅沢さんに教えてもらえるとは生涯の喜びです」と相好を崩していた。

2007年09月06日10時53分

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高尾名人が先番、右上隅小目に第一着

 高尾紳路名人(30)に張栩碁聖(27)が挑戦する第32期囲碁名人戦七番勝負の第1局は6日午前9時、広島市中区の広島全日空ホテルで始まった。

 「握り」で高尾名人の先番と決まり、第一着を右上隅小目に打ち下ろした。

 立会人は武宮正樹九段。対局は2日制で持ち時間は各8時間。7日夜までに決着する。

2007年09月06日09時00分

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前夜際で決意表明

 5日午後6時からは、ホテル内で地元広島の関係者や囲碁ファンら約150人が集まり前夜祭が開かれた。挨拶に立った張碁聖は「最高の舞台に戻って来られた。2日制の碁では一番強い高尾さんに、1局でも多く教われるように頑張りたい」と熱く話した。

 一方、高尾名人は「広島市に来たのは初めて。先ほど原爆ドームを見てきて原爆の悲惨さを改めて知った。こうして碁を打てることは本当に幸せなことと実感した。去年のようにうまくいくかはわからないが、自分の力を発揮したい」と決意を語った。

 両対局者に花束を渡した竹野麻菜美さん(10)は「高尾さんが勝ちそう」、米田芽生さん(11)は「張さんに勢いがある」と、勝敗予想は五分五分。二人とも「結果はとても気になる」と話し、好勝負にエールを送っていた。

2007年09月05日

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瀬越憲作九段が碁盤裏に揮毫

 第32期囲碁名人戦第1局を翌日に控えた5日夕、会場となる広島市中区の広島全日空ホテルで、高尾紳路名人と張栩碁聖による対局室検分がおこなわれた。

 今回使われる碁盤は、日本棋院広島県本部から持ち込まれた。碁盤の裏には、広島県出身で、大正から昭和にかけて囲碁の普及に尽力した瀬越憲作(せごえ・けんさく)九段が揮毫した「秀麗」の文字が残されており、両対局者が盤を裏返して見せると感嘆の声があがった。また、盤面の四辺の間隔(余り)が通常の碁盤よりもやや広くできていることを高尾名人が指摘すると、関係者一同が興味深くのぞき込む一幕もあるなど、終始なごやかなムードで対局前日のチェックを終えた。

2007年09月05日

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