現在位置:asahi.com>囲碁>名人戦観戦記> 記事

< 第32期名人戦七番勝負第2局 観戦記 >
黒張栩  挑戦者   対   白高尾紳路  名人

現実との落差

2007年10月12日

 黒61から白72までをざっと追っていただこう。これが△とツケたときに名人が思い描いた図である。検討陣は首をかしげた。黒71と外側のダメがつまる前の白66で、なぜ白Aのハネを決めないのかという。白Aには黒B、白C、黒2子取りとなるから、少なくとも3目の違いが生ずる。Aを打ちそこなったのは名人のうっかりミスと断言する棋士もいた。この点を名人に答えてもらおう。

打ち手再生 別ウインドウで開きます | 使い方

棋譜

 「分かっていました。ただ、参考図の白1、3を決めると、白5にはオサえてもらえず、黒6、8とノビられると思った。この形は黒aのカケが残ってつらい」

 一応納得。もっとも挑戦者は図の黒6では7とオサえ、実戦のようにダメをつめて白4子をとるつもりだったと語る。とすると、Aを逃したのはやはり痛かったかもしれない。1目でも大騒ぎするのに、3目も違っては大変である。

 さて72までをどう見るか。黒は30目近い地を確定させ、白はシマリを破って左辺をふやしたのだが、白よしの声は皆無だった。攻撃目標をなくし、局面を単純化させたマイナスが目立つという。再び名人の感想。

 「頭の中でつくった図ではやれるはずでしたが、できあがってみると悪いのでガク然とした。△とツケた作戦は完全に失敗です」

(春秋子)

[次の譜へ]

このページのトップに戻る