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< 第32期名人戦七番勝負第3局 観戦記 > 局面打開の切り2007年10月26日 午後4時をまわった。名人戦の封じ手は5時半以降という規定。手数はまだ進むだろうが、盤側に、前2局のような焦りはなかった。残された空間が広く、一筋縄ではいかない碁。早い終局はないだろう。
挑戦者の白84に対して黒88のツギは小さい。白A、黒89、白85、黒Bと白に先手で生きられる。 黒85から白90までは一種の振り替わり。挑戦者は左上の2子を犠牲にしてでも、白90の抜きが大きいと判断した。今後、主戦場となるかもしれない中央から上辺の勢力にさらに磨きがかかる。検討陣の白乗りの評価も厚みを増した。 名人は、黒85で参考図の黒1にフクれようかとも考えたという。黒3が筋のよい手で、もし白4で5にツゲばゲームセット。黒a、白bに黒cと逃げれば攻め合い黒勝ちだ。「有力な作戦で、黒7まで上辺白2子を取ることができます。ただ、先手を取った白が譜の下辺Cに回るので、実戦との優劣ははっきりしません」と黄解説者。 名人、バサッと黒91に切る。29分、熟考のすえに放った局面打開の一手である。検討陣は当初、この切りをやや軽視していた。白92、黒93を決めた挑戦者、こちらもじっくりと考え、午後5時32分、次の一手を封じた。 白94から2日目の戦いに入る。 (伊藤衆生) |
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