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< 第32期名人戦七番勝負第3局 観戦記 > どっちが厚いか2007年10月26日 左上黒93の放り込みは早くから注目されていた地点。白から先にA、黒B、白93となるのを封じてとても大きい。また、白はCと黒93の一子を抜くことができるが、前述のヨセを先手で消されたことになるので、それだけで利かされになる。
挑戦者は中央白94とノゾく。きわどいタイミングで打つものである。もっとも、黒が99とコウを取ると、白は95に切る。次に白Dで中央の黒が死ぬため黒Dが省けない。よって、白94は的確なタイミングというべきか。上辺を白96、98と備えたのも好判断だった。 ちょうどこのころだったか。検討室の石田立会人と黄解説者が「白の厚い半目勝ち」で見解の一致をみた。 名人は黒99から残り10分となり、秒読みに突入した。黒101、103と時間つなぎを2回。コウ材を失うので、半目勝負では特に打ちたくないが、仕方がない。時間に追われていることは、棋譜からだけでも分かる。 黒105、白108など大きな場所を打ち合い、ヨセはほぼ想定どおりに進む。 検討室で誰かの携帯が鳴る。そして「大盤解説会場の小林九段は、黒のほうが半目いいと言ってるそうです」とスタッフの慌てた声が響いた。さあ、半目はどちらにほほえむのか。 挑戦者が白114と左上のコウを取ったのが午後5時半過ぎ。盤上にはもう小ヨセしか見当たらない。ここから7時近くまで戦うことになるとは思いもしなかった。 (伊藤衆生) |
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