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第32期名人戦七番勝負第3局

【9月26、27日 茶寮宗園(宮城県仙台市)】
黒 高尾紳路 名人   対   白 張栩 碁聖

  1日目 | 2日目

写真 封じ手を立会人の石田九段に渡す張挑戦者
写真 「次の一手」の解答を発表し、解説する黄翊祖七段(左)と河野臨天元(右)
写真 大盤解説をする小林覚九段(右)と万波佳奈四段
写真 1日目の昼食。両対局者とも同じメニューを食べた
写真 身を乗り出して指導碁を行う万波四段
写真 安藤和繁三段は3人を相手に指導碁
写真 指導碁にあたる小林覚九段
写真 先番の高尾名人が第一着を右上小目に打ち下ろした
写真 前夜祭で、両対局者に花束が贈呈された=9月25日
写真 前夜祭では、万波佳奈四段(右)も人気=9月25日
写真 高尾名人も、列をなすファンの求めに応じ、色紙にサイン=9月25日
写真 前夜祭で、ファンのために色紙に詰碁を書く張挑戦者=9月25日
写真 前夜祭に顔をそろえた対局者(壇上)とプロ棋士のみなさん=9月25日
写真 検分をしていた碁盤から目を離し、庭を見る高尾名人(手前左)と張碁聖(同右)=9月25日

張挑戦者が94手目を封じる

 仙台市太白区の茶寮宗園で26日午前9時に始まった、高尾紳路名人(30)と挑戦者・張栩碁聖(27)による第32期囲碁名人戦七番勝負第3局は、同日午後5時32分、白番の張挑戦者が94手目を封じて1日目を終えた。持ち時間各8時間のうち、消費時間は名人4時間10分、挑戦者3時間22分。27日午前9時に再開する。

2007年09月26日17時40分

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棋士は封じ手が嫌い

 「封じ手を嫌がる棋士は多いですね。棋士が3人いたら2人は封じ手を嫌う」

 大盤解説会で小林九段が、封じ手に対する棋士の気持ちについて語った。「封じ手で間違えたら、翌日の再開までそのことが頭から離れない。食事をしても味がわからないし眠れない」

 だが小林九段自身は封じ手が好きと言う。「石を打つ代わりに紙にマルをつけるのが面白いから。ただし、単純で間違いのない手を選びます」。それが、封じ手を苦にしないコツのようだ。

2007年09月26日17時35分

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「この碁に勝てば名人」

 現地で対局を見守る棋士たちの、感動というか驚きというか、最も大きな衝撃を与えたのは、序盤の黒11カケに、白が手抜きをして12とカケ返して以後の、右辺の上下対称の形になった変化だ。

 河野天元は「白12は本当に面白い。まったく記憶にない手です。気合を感じます」。黄七段も「ぼくも初めて見た」。

 小林九段は「歴史に残る碁。この碁を勝った方が名人になる、そんな気がします」。

2007年09月26日16時50分

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実利派の挑戦者、厚みを蓄える

 黒49からは午後の戦い。

 挑戦者が白54と臨み、名人が黒55とツケたことから左辺の折衝が焦点となった。黒65のハネに挑戦者は白66と出て、70、72、74と左辺、左下をつなげるように厚みを蓄えた。

 午前中は名人のほうが手厚い進行だったが、一転、ふだんは地にからい挑戦者の手厚さが目立っている。

2007年09月26日16時35分

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「左辺と下辺がポイント」

 大盤解説会で朝日新聞解説の黄翊祖七段は、黒53までの時点でどちらを持ちたいかと問われ、「ぼくは少し黒を持ちたいかな。普通に進めば細かいヨセ勝負でしょうが、左下の白は眼形がまだ不十分。黒から攻められるのが気になるので…」。

 河野天元は「この碁は、まだ左辺と下辺の形が決まっていないので、どうなるか形勢判断は難しい。左辺と下辺の帰趨がポイントです」。

2007年09月26日16時30分

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次の一手は「攻防の要点」

 大盤解説会では黒53が「次の一手」の問題になった。黄翊祖七段、河野臨天元もかけつけて、選択肢を出すのに加わった。

 四択で、Aは、下辺星の右上、黒が守った手。Bは、上辺星の右一間への打ち込み。Cは、右辺星の右上、守りと下方白への勢力減を狙う。Dは、その他。

 以上の設問で、正解はC(黒53)。40人超の聴衆のうち、正解者は12人いた。

 Aについて黄七段は「ぼくはここを予想していました。白に下辺星の右あたりに、打ち込まれるのが気になるので。でも、右辺のBに打たれてみると、素晴らしい着点ですね、素晴らしい。しかし、下辺の打ち込みは依然気になる…」。

 河野天元はBについて「ここに打ち込みたい人は力自慢でしょう。でも今打ち込んでも取られるし、もし変化して生きがあっても、無理をしているので別のところに悪影響が出るものです。今は打ち込むべきではありません」。

 名人が選んだCについては、2人とも口をそろえ「攻防の要点、大場です」。

2007年09月26日16時25分

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大盤解説「この碁は歴史に残る」

 対局場の茶寮宗園から徒歩5分のホテルニュー水戸屋で、午後2時半から小林覚九段と聞き手万波佳奈四段のコンビによる大盤解説会が始まった。

 小林九段は「右辺、白20までの形は過去、江戸時代からのざっと400年で考えても、見なかった形です。この碁は歴史に残る碁です」と断言。「皆さんはリアルタイムで鑑賞できて、とてもラッキーと思います。ただし、理解できるかどうかは別ですがね」と笑った。

 左辺黒47までの局面について「左辺は黒の理想型かもしれません。少し黒が打ちやすいのかな、次に進行しやすいという意味でね」。

2007年09月26日16時15分

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対局再開

 午後1時に昼食休憩を終えて対局が再開した。高尾名人の49手目は15の十六。

2007年09月26日13時05分

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意表つく挑戦者の白48

 午前中、最後に打たれた挑戦者の白48は気がつきにくい手で、検討陣は意表をつかれた。名人にとっても予想外だったか。この日初めて20分以上考え続け、そのまま昼の休憩となった。

2007年09月26日12時55分

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昼食休憩、再開は午後1時

 第32期囲碁名人戦七番勝負第3局1日目は、高尾名人が49手目を考慮中に昼食休憩に入った。持ち時間各8時間のうち、ここまでの消費時間は高尾名人が1時間55分、張碁聖が1時間5分。再開は午後1時。

2007年09月26日12時05分

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指導碁で勝ち 「ありえないんだけど」

 対局会場近くのホテルで午前10時から指導碁が始まった。小林覚九段、安藤和繁三段、万波佳奈四段の3人が5面打ちなどで指導した。

 石を打つ音が静かに響く中、盤をじっと見つめる参加者から時折、「ふうっ」とため息がもれる。

 安藤三段の指導を受けた女性は「びくびくしながら打ちました」と照れ笑い。「負けると思っていたのに、結果、勝ってしまいました。ありえないんだけど」と顔をほころばせた。

2007年09月26日11時50分

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立会人の石田九段、「おもしろい」連発

 二つのケンカ小目から、すべての隅にカカる「総ガカリ」へと発展した。

 名人が黒9、11と下辺一帯で主導権を得ようとしたときに、挑戦者は一転、右上白12のカケ。

 立会人の石田芳夫九段、NHK衛星放送解説の河野臨天元は、テレビの生中継で「駆け引きがおもしろい」。

 さらに黒13、白14と互いにハッて、碁盤の上下がほぼ対称となる進行に、検討室に戻った石田立会人が「おもしろいね」を連発。10回近くは発したか。

2007年09月26日10時40分

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抜け出すか、もつれるか

 前夜祭では、両者1勝1敗のタイで迎えた第3局の展開をプロ棋士らが壇上で予想した。

 NHK解説の河野臨天元は「高尾名人の強さは、どんな状況でも自分のフォームが崩れないところ。読みの鋭い挑戦者と、面白い碁になるはず」。

 大盤解説を担当する小林覚九段は「張碁聖は碁盤を見ているときの目がすごい。すべてを見通しているような雰囲気を出す。第2局を勝った挑戦者に、少し流れが来ているのではないか」。

 立会人の石田芳夫九段は「2局目は嫌な負け方をしたものの、名人は七番勝負に絶対の強さがある」と見る。「1・2局は両者とも内容より勝ち負けを意識し、かみ合っていない感じがした。勝っても不本意だったのでは。相手を受け止め、ぶつかっていく碁を見せてほしい」と話し、「この3・4局でどちらかが2勝すればそのまま押し切ることになる。1勝1敗なら7局目まで行く可能性が濃厚。両横綱はぜひ7局まで見せてもらいたい。ファンも同じ気持ちだと思う」。

2007年09月26日10時30分

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珍しいケンカ小目2組

 黒1と白4、白2と黒3は、互いに向かい合った小目で、「ケンカ小目」と呼ばれる。激しい戦いになる可能性が高い布陣だ。

 2組のケンカ小目ができるのは珍しいが、こうなったのは張挑戦者が白4を選んだため。挑戦者が「戦い辞せず」の態度をみせている。

2007年09月26日10時00分

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高尾名人の先番で第3局始まる

 高尾紳路名人(30)に張栩碁聖(27)が挑戦している第32期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第3局は26日午前9時、仙台市太白区の茶寮宗園で始まった。

 1勝1敗で迎えた本局は高尾名人の先番。第1局を制した名人が突き放すか、第2局で追いついた挑戦者が逆にリードを奪うか、注目の一局だ。

2007年09月26日09時05分

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名月と温泉で、英気養い

 会場となる旅館近くのホテルニュー水戸屋で25日午後6時、前夜祭が開催され、地元の囲碁ファンら約80人が集まった。

 張挑戦者は、「このようなすばらしい環境で碁を打てることに感謝したい。ファンの期待に応えられるような熱い闘いができるように頑張ります」と決意表明。

 高尾名人も「いろんな所で対局してきたが、ここの対局室が今までで一番すばらしい。だから今までで一番いい碁が打てるはず、と思う。今夜は中秋の名月をながめて温泉につかり、英気を養いたい」とあいさつした。

2007年09月25日

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滝の音が響く対局室

 第32期囲碁名人戦第3局を翌日に控えた25日夕、会場となる仙台市秋保温泉の茶寮宗園で、高尾紳路名人と張栩碁聖による対局室検分がおこなわれた。

 8000坪(約26400平方メートル)の敷地を誇る旅館の奥まった一室。日本庭園に囲まれ、近くを小さな滝が流れる。盤の感触を確かめるように石を置くなどしていた両対局者は、「滝の音が気になるようでしたら流れを止めますが」との主催者側の申し出に庭を見やり、笑顔で首を振った。

 静かな滝の音は、熱戦の心地よいBGMになりそうだ。

2007年09月25日

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名人戦第3局、26日から仙台で

 高尾紳路名人(30)と挑戦者の張栩碁聖(27)が1勝1敗のタイで迎える第32期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第3局は26日、仙台市の茶寮宗園でおこなわれる。

 対局は2日制。高尾名人の先番で午前9時開始、27日夜までに決着する。立会人は石田芳夫九段。

 熱戦の模様はアサヒ・コムの囲碁ページで速報します。

2007年09月25日

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