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黒張栩  挑戦者   対   白高尾紳路  名人

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2007年11月16日

 高尾紳路名人の先勝のあと、張栩挑戦者が連勝して迎えた第4局。これまで七番勝負ではすべてタイトルを手にしてきた名人だが、今回初めて勝ち星でリードを許した。

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棋譜

 「この流れを大切にしたい」という挑戦者にとって、静岡県伊豆市にある「鬼の栖(すみか)」は過去2回とも勝っているゲンのいい対局場だ。本人も「2局とも大事な手合だったので覚えています」。景色とともにいいイメージがよみがえったことだろう。

 黒1から5まで、第2局と全く同じ進行だ。ここからその残像との駆け引きが始まる。

 たった2分で挑戦者が決断した黒7のケイマはめずらしい。「かなり細かく研究した布石を、張栩さんはノートにメモしているそう。だから速く打てるのですね」と解説の趙善津九段。

 第2局では白Aと小ゲイマにカカったが、名人は白8の大ゲイマに変化した。上辺の幅を狭くして入りにくくしたのにもかかわらず、挑戦者があくまで黒9とハサんだのには、「強情だなあ」「昔から強情な男なんですよ。そうでないとタイトルはとれない」と検討室で声があがった。

 黒11まで、白8以外は第2局と同じ姿になっている。

 第2局のイメージとの決別は、思いがけないところで起こった。なんと白12にハネたのだ。「勇気がありますよね。見たことない手はリスクが高いから。このふたりはゆっくりした布石にはならないのですね」と趙解説者。

(内藤由起子)

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