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< 第32期名人戦七番勝負第4局 観戦記 > 封じ手前の攻防2007年11月16日 唐突に黒は83と打ち込んだ。黒Aにヒラキヅメし、白Bのトビくらいと見ていた検討陣はびっくり。全局的に黒が厚いので成立する強手だ。白の根拠を奪いながらの稼ぎが大きい。「打たれてみれば『なるほど』という手。発想が厳しく、対局者でないと目がいきませんね」と趙善津解説者。
きょうの名人は徹底して地でいく。白88とヒラきながら、上辺に声援を送った。 「黒89に白Cなどと受けてもらえれば、少しいいかと思っていた」と挑戦者。続いて黒Dの押しに白Eと抜いて生きる必要がある。黒98、白93、黒F、白96と右辺がぺちゃんこになれば、細かい形勢ではあるが黒の厚みがものをいいそうだ。 白90と反発したのが、ちょうど午後5時。封じ手のできる時間まで、あと30分と迫ってきた。 黒95のフクラミが打たれると、名人はちらりと時計を見た。白96では97に引くのも考える。その場合黒Gのノゾキに白Hとツゲば穏やかで黒I、白Eで息が長い分かれになった。しかし白HではなくIにツグ変化など、考えることはたくさんありそう。 まさに勝負どころの真っ最中なのに、白はあっさり96にアテた。 今度は挑戦者がため息をつき、片手で額を覆う。時間を確かめると、すぐ黒97にアテ返す。 ばたばたと手順が進み結局、5時半をまわったところで、名人が100手目を封じた。日が暮れ、鈴虫の合唱がきこえる中、1日目が終わった。 (内藤由起子) |
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