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第32期名人戦七番勝負第4局

【10月10、11日 鬼の栖(静岡県伊豆市)】
黒 張栩 碁聖   対   白 高尾紳路 名人

  1日目 | 2日目

写真 立会人の淡路修三九段(左)に、封じ手を渡す高尾名人
写真 旅館の門の下にはかわいい鬼が。盛り塩を持って出迎え
写真 対局室の高尾名人の背後にある床の間
写真 張挑戦者の目線での碁盤
写真 高尾名人の目線での碁盤
写真 昼食は両対局者とも同じメニュー
写真 張挑戦者の第一着は17の四
写真 京都・清水寺貫主による掛け軸
写真 検分で碁盤の感触を確かめる両対局者

「2日目は再開早々、厳しい戦いになる」

 高尾名人が封じて1日目を終えた時点で、趙善津九段は「右辺の白90、92と高尾名人が最強にがんばったために、局面は一気に険しくなった。明日の2日目は、再開早々から厳しい戦いになるのは必至。明日の攻防が愉しみです」と語った。

 下辺から中央の白一団を黒が圧迫しながら、黒が上辺に転じて83と打ち込み、黒が上辺から右上に地を確保。張挑戦者が右辺下方に、様子見のように黒89と臨んだ場面では、早くも大ヨセの雰囲気だった。黒が寄りつきながら大ヨセに移り、細かいヨセ勝負に入っていくか、と予想された。

 ところが、名人が普通に受けず、白90、92と「最強の頑張り」に出たため、局面は一変。黒93からコウ含みの険しい戦いに突入した。

 2日目の見通しについて趙九段は、「黒は寄りつき勝負の成否がポイント、白は頑張りの決断の行方がどうなるか。いずれにしても、難しい戦いがずっと続くだろう」。

2007年10月10日18時06分

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高尾名人が100手目を封じる

 静岡県伊豆市の「鬼の栖」で10日始まった第32期囲碁名人戦七番勝負の第4局は、同日午後5時31分、白番の高尾紳路名人が100手目を封じて1日目を終えた。11日午前9時から打ち継がれ、同日中に決着する。持ち時間各8時間のうち、消費時間は高尾名人4時間25分、挑戦者の張栩碁聖は3時間6分。

2007年10月10日17時50分

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趙九段「局面、白が主導」

 中盤の白74までの流れについて、解説の趙善津九段は「普段の2人の棋風とはまったく逆の展開になっているのが、一番の特徴です。白の高尾名人が地で走り、あまし作戦に出て主導していると見られる」と語った。

 「左上でいきなり、あまり見られない折衝となった。実戦例は少ないのではないか。白12はちょっとした名人の工夫。その意思は後で聞いてみないと分からないが、一波乱起きる可能性もあった。結局はあっさりワカレたが。左下の白32に、地を先に確保して黒に厚みを築かせる、あまし作戦に出た意思を読み取れる。その後の右辺白48は頑張った手です。下辺から中央に伸びる白はしのぎ勝負に任せ、大場の好点に先に回ろうという一貫した作戦です」

 当面の焦点は、「黒が厚みをどれだけ働かせられるかです」。

2007年10月10日16時36分

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漆塗りの一畳板

 名人戦の宿はどこも一流の旅館である。最近はホテルでの対局も増えて、地方で開催する場合は必ずしも一流のホテルでばかり、とはいかない例もある。

 だが、伊豆シリーズの対局場の宿として知られる、あたみ石亭、伊東のわかつき別邸、ここ修善寺の鬼の栖などは「とびきり」の純和風建築のうえ、室内の調度などにも細かい配慮が行き届いている。

 鬼の栖の対局室の場合、十畳の和室、隣の八畳の控えの間、踏み込みの三畳の間をすべて新しい畳に替えたので、室内はかぐわしい畳の香に包まれている。俗に「女房と畳は新しいほどいい」といわれるが、名人戦の季節は毎年、この俗諺(ぞくげん)を思い起こすことと相成る。

 また、床の間の一畳分の板は、深いワインレッドの輪島塗である。板一枚ゼーンブ漆塗りなのである。読者には想像してもらうほかない。

 なお、床の間の軸は小振りで上品なたたずまい。「和敬静寂」とある。

2007年10月10日13時47分

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逆から碁盤を眺めれば

 アサヒ・コムやNHK衛星放送、また新聞の棋譜は、すべて黒番から見えるように、縦横の位置が決められている。今度の第4局は張挑戦者の黒番なので、皆さんが見ているように挑戦者には見えていることになる。

 ところで、白番の高尾名人は逆に見えているはずだ。碁盤の右上は名人には左下である。というわけで、昼休憩で両対局者のいない間に、両対局者の眼の位置から、碁盤の写真を撮った。

 張挑戦者の岳父・小林光一九段は対局中、しばしばかたわらの記録係から棋譜を取り寄せて、棋譜を上下逆にして手順を確かめ、形勢を考えている。大体30分に1回ぐらいの頻度だろうか。

 この行為を嫌う棋士もいるらしい。もっとも、黙って棋譜を見つめるだけだから、相手に何の迷惑もかけてはいないのだが。

 将棋界では加藤一二三・九段が相手の後ろに立って、将棋盤を背後から眺めるという。対局者にはいささか気にはなろう。

 囲碁界で相手の後ろに立って碁盤を見る例は聞かない。

2007年10月10日13時20分

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対局を再開

 時間通り午後1時に昼食休憩を終えて対局が再開した。張挑戦者の43手目はの11の十四。

2007年10月10日13時07分

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昼食は旅館特製の手打ちそば

 両対局者はそれぞれ自室で昼食をとった。

 メニューは旅館特製の手打ちそばにおにぎり、天ぷら。これに黒米豆腐、柚子味噌、生湯葉、べっこうあん、山葵などが添えられている。果物は巨峰に梨。

2007年10月10日12時30分

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昼食休憩 再開は午後1時

 第32期囲碁名人戦七番勝負第4局1日目は、張挑戦者が43手目を考慮中に昼食休憩に入った。持ち時間各8時間のうち、ここまでの消費時間は高尾名人が1時間45分、張碁聖が1時間15分。再開は午後1時。

2007年10月10日12時17分

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両者とも持ち味と逆の進行

 立会人の淡路修三九段が午前9時、「時間になりました」と告げ、挑戦者が第一着を右上小目に打ち下ろした。黒7までは同じく挑戦者が先番だった第2局とよく似た配置。名人はまったく同一の形になるのを嫌い、白8と大ゲイマにカカる。

 左上白12の趣向に黒が13と厳しく応じたが、白22まで無難な分かれに。左下の折衝を終え、黒の厚みと白の実利という構図が鮮明になっている。挑戦者が43手目を考慮中に昼の休憩に入った。解説の趙善津九段は「手厚い棋風の名人と地にからい挑戦者が、持ち味と逆の進行を選んでいます。珍しい展開でしょう」と話した。

2007年10月10日11時43分

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張挑戦者の先番で第4局始まる

 高尾紳路名人(30)に張栩碁聖(27)が2勝1敗とリードして迎えた第32期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第4局が10日午前9時、静岡県伊豆市の「鬼の栖(すみか)」で始まった。名人が勝って2勝2敗のタイに戻すか、挑戦者が名人位奪還へあと1勝とするか、注目の一番だ。

 先番は張挑戦者。第一着は17の四。持ち時間各8時間の2日制で、11日夜に決着する見通し。立会人は淡路修三九段。

2007年10月10日09時16分

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「松に色なく、竹に節あり」、名人感心

 昨晩の夕食は、高尾名人は関係者一同と一緒に、張挑戦者は自室で取った。

 夕食会場の和室大広間の床の間には、京都・清水寺貫主の墨痕鮮やかな軸物が掛けてある。

 漢文で「松無古今色 竹有上下節」。松に古今の色無し 竹に上下の節有り

 松は常緑なのに色無し、竹に節があるのは当たり前だが…。要するに「平常心の大切さを説いた言葉」というのが宿の人の説明だった。

 これを聞いた高尾名人、頷くことしきりだった。何か思い当たることがあったのだろうか。明日、対局が終わった後で聞いてみたいところだ。

2007年10月09日

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和やかに対局室検分

 第32期囲碁名人戦第4局を翌日に控えた9日午後5時30分から、会場となる静岡県伊豆市の鬼の栖(すみか)の対局場で高尾紳路名人と張栩碁聖による対局室検分がおこなわれた。

 気候が落ち着いてきたのもあって空調などにも特に注文は出ず、両対局者とも和やかに検分が行われた。

2007年10月09日

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名人戦、10日から伊豆で第4局

 高尾紳路名人(30)の1勝、挑戦者・張栩碁聖(27)の2勝で迎える第32期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第4局は10日、静岡県伊豆市の鬼の栖(すみか)で始まる。

 本局は挑戦者が先番。持ち時間各8時間の2日制対局で、午前9時に打ち始め、11日夜までに決着する。立会人は淡路修三九段。

 熱戦の模様はアサヒ・コムの囲碁ページで速報します。

2007年10月09日

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