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第32期名人戦七番勝負第4局

【10月10、11日 鬼の栖(静岡県伊豆市)】
黒 張栩 碁聖   対   白 高尾紳路 名人

  1日目 | 2日目

写真 大勢が見守る中で感想戦は1時間以上に及んだ
写真 3勝目を挙げて笑顔の張挑戦者
写真 感想戦でおもわずのけぞる高尾名人
写真 検討室での趙善津九段(左)と巻幡多栄子三段(中)と向井芳織初段(右)
写真 検討室での片岡聡九段(左)と立会人淡路修三九段(右)
写真 2日目の昼食。張挑戦者はこれとは別に温かい稲庭うどんを注文
写真 封じ手(赤い丸)が書かれた棋譜(左)と封筒
写真 庭を眺めればそこにもカメラ。挑戦者側から見ると、庭のカエル像と目が合う
写真 高尾名人の封じ手は15の十四
写真 2日目の朝、緊張した面持ちで対局再開を待つ

挑戦者「うまくいってよかった」 和やかに語り合う

 感想は最初、右辺のコウ争い、続いて下辺の白打ち込みにさかのぼり、最後は上辺白のしのぎ具合となった。上辺のしのぎはどうやらなかったらしい。

 大変和やかな雰囲気で、両者とも柔らかい表情で率直に語り合っていた。5時になると、ここ修善寺ではどこからか時報代わりのチャイムが流れる。対局室にも聞こえ、これを合図のようにどちらからともなく石を片づける雰囲気となった。終局が午後3時44分だったので、感想戦は正味1時間16分に及んだ。

 感想のあと、高尾名人は「右下のコウをすぐに勝ちにいかなければならなかった」。張挑戦者は「最後、上辺の白石を取れるかどうか自信はなかったが、まあうまくいってよかった」と語った。

2007年10月11日17時23分

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初めての入念な感想戦

 高尾名人が投了したあと、両者による感想戦が延々と続けられた。

 今シリーズで本格的な感想戦はこれまでなかった。第3局など、300手を越す大熱戦で2人とも精根尽きた事情もあったが、5分ぐらいの簡単なものだった。夕食のあと、控え室に戻った両者がここから熱心な感想を繰り広げたのだが、終局に続いて対局室で細かくやったのは本局が初めてだ。

 第4局の感想は、最初は右辺のコウ争いの様々な変化。難解な判断が必要な着手なので、いくつも変化図ができるが、なかなか最善の対応との結論がでない。行きつ戻りつの感想だった。

 このコウ争いに約40分を費やし、続いて下辺に打ち込んだ白38からの折衝に移った。ここでも様々な変化図が披露され、密度の濃い検討に。終局1時間を越えても、まだ続いた。

2007年10月11日16時55分

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張挑戦者が勝利 名人位奪還へあと1勝

 10日から静岡県伊豆市の「鬼の栖」で打たれていた第32期囲碁名人戦七番勝負の第4局は、11日午後3時44分、挑戦者の張栩碁聖が高尾紳路名人に141手で黒番中押し勝ちした。対戦成績を3勝1敗とし、名人位奪還にあと1勝とした。

 持ち時間各8時間のうち、残り時間は高尾名人13分、張挑戦者2時間40分。第5局は17、18の両日、神戸市の御所坊で。

2007年10月11日16時19分

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名人が残り30分 いよいよ終盤

 昼食休憩後の再開から約2時間30分経過した現時点で、高尾名人の残り時間は30分を切った。一方、張挑戦者の残り時間は約3時間。

 この残り時間の差が勝敗にどう影響するか、白熱の戦いも、いよいよ終盤に差し掛かった。

2007年10月11日15時33分

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山場はじっくり スローペース

 午後1時から再開されたが、1時間20分に打たれた手数はわずか5手。これまでのスピーディーな着手からすれば大変な「減速」である。

 回りをぐるりと遠巻きに囲まれた上辺の白一団に生きはあるのか。

 上辺白のしのぎをめぐる最大の山場に、差し掛かっている。

2007年10月11日14時38分

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対局再開

 午後1時に昼食休憩を終えて対局が再開した。高尾名人の126手目は13の六。

2007年10月11日13時14分

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昼食はカツ丼とうどん

 2日目の昼食は、カツ丼に冷たいうどん。これに香の物と果物2種が添えられていた。両対局者とも自室で昼食をとったが、張挑戦者はこれとは別に、温かい稲庭うどんを頼んだという。

2007年10月11日13時00分

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「上辺のしのぎで勝負が決する」

 黒109、111でポイントを挙げた挑戦者に対し、名人も簡単にはコウを解消せず、上辺黒123を見てようやく白124と右辺を取りきった。

 右辺で大きな地を得た名人だが、上辺白4子は弱い。黒が125と襲いかかった場面で昼の休憩に入った。解説の趙善津九段は「名人は、開き直って右辺で稼いだ印象です。上辺のしのぎがどうなるかで勝負が決しそうです」。

2007年10月11日12時44分

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「大きな詰め碁は難しい」

 検討室では趙善津九段、片岡聡九段、淡路修三九段の3人が、上辺白一団のしのぎの図を作っては崩す作業に没頭している。

 黒が125白と、上辺の白4子に迫った局面だ。白一団に生きはあるのか、黒はどう攻めるのか。

 「白が二眼作るのは大変か」

 「いや、意外に白有望な手もありそうですよ」

 「こんなに大きい詰め碁はわからんなあ」

 「黒も攻めるのが意外に難しいよ」

 勝負は、山場にさしかかっている。

2007年10月11日12時24分

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昼食休憩 再開は午後1時

 第32期囲碁名人戦七番勝負第4局2日目は、高尾名人が126手目を考慮中に昼食休憩に入った。持ち時間各8時間のうち、ここまでの消費時間は高尾名人が6時間21分、張碁聖が4時間2分。再開は午後1時。

2007年10月11日12時14分

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右辺で深刻な攻防

 名人の封じ手、右辺白100の切りから始まった対局は、再開早々から右辺一帯で深刻な攻防となっている。

 右辺黒は白104とアテられてコウ。挑戦者はその右辺を捨て気味に黒109、111と連打して右辺上方でポイントを挙げる。名人がもう一手かけて右辺を取りきるかどうかに注目が集まる。

 解説の趙善津九段は「コウがどう決着するか、依然として予断を許しません。一段落すれば、戦いは上辺へ移るでしょう」。

2007年10月11日12時10分

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淡路立会人「名人、悲壮な覚悟」

 立会人の淡路修三九段は再開後の形勢について、「高尾名人は形勢を白よしとは見ていない。実際右辺のコウ争いの過程で挑戦者は右辺上方で二手連打し、流れとしては黒やや打ちやすし、ではないか」と語った。

 名人が形勢を楽観していないと見る根拠は、淡路立会人によると1日目の右辺白96にある。

 「96で普通に97と穏やかにひくのでは勝てない、と見ていたんですね。実戦の白96に私は『悲壮な覚悟』を感じ取りました。私の動物的な勘です。しばしばはずれるんだけどね(笑い)。白96として、ちょっと挑発した気分もあるんです。『私はコウも辞さずですよ』というんです。それに対して挑戦者も『ではコウにしましょう』と、まあこちらは普通に応じた。このコウは解消までやっかいなので、黒の方がやや楽でしょう」

 名人に「焦り」があるとすれば、淡路立会人は「多分下辺から中央に伸びる白一団の眼形がまだ不十分なのと、中央で黒が79としっかり厚みになっているのを、やや軽視していたせいでしょう」と分析。「黒111までとなると、上辺と中央の白の不安定さと、黒の厚みが相当はっきりしつつあります」

2007年10月11日10時53分

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「今年の漢字」で名人戦を占えば

 昨晩の大広間での夕食の話題をひとつお伝えしよう。高尾名人、張挑戦者とも自室で取ったので、同席していなかったことを断っておく。

 大広間の床の間に漢詩の軸が掛かっていて、揮毫したのは京都・清水寺の貫主、森清範さんだった。清水寺の森貫主といえば、毎年末、全国から寄せられたアンケートをもとに、今年を象徴する「今年の漢字」を清水の舞台でサッと書き上げるお坊さんである。

 そんな話から、誰言うともなく「今年の漢字は何だろうかね」。

 「安倍首相が突然辞めたり、自民党が参院選で大敗したり、いろいろ驚くようなことが相次いだなあ」

 「主客交代ならば、『替』とか『代』か」

 「甲子園の高校野球決勝戦が佐賀北の大逆転だった。『転』はどうだろう。首相も変転、選挙も逆転、野球も逆転」

 「とすると、秋の大勝負、この囲碁名人戦も張挑戦者がシリーズを制して、名人交替で、『転』というわけか」

 「そうなっても『転』、あるいは張挑戦者がリードを広げたあとで、高尾名人が角番を何度もしのぎ、劇的な大逆転初防衛でも『転』でいいじゃないか」

 「ナルホド、ということは『転』が有力ということか」

 以上、楽屋落ちでした。

2007年10月11日10時17分

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対局再開 名人の封じ手は15の十四

 10日夕に打ちかけとなっていた第32期囲碁名人戦七番勝負の第4局は2日目の11日、静岡県伊豆市の「鬼の栖(すみか)」で再開した。午前9時、高尾紳路名人(30)と挑戦者の張栩碁聖(27)が1日目の99手目までの手順を再現し、立会人の淡路修三九段が封じ手を開封した。白番の高尾名人の封じ手は15の十四の切りだった。

 持ち時間各8時間のうち、1日目の消費時間は名人4時間25分。挑戦者3時間6分。同日夜に決着する。

2007年10月11日09時25分

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