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< 第32期名人戦七番勝負第5局 観戦記 > 勝ち星以上のもの2007年11月23日 七番勝負の第5局をどちらかのカド番で迎えるのは嫌なものだ。星の差は二つ。逆転の可能性はもちろんあるけれど、ここまでの流れは明らかに偏っていると判断できる。このままあっさり決着するのでは。そういう空気が両対局者の周りに渦巻いてしまうのではないかと気が気ではない。
長丁場の七番勝負だからこそ流れが大切といわれる。流れを押し戻すにはただの勝ち星では効果は薄い。エースピッチャーを序盤でノックアウトするくらいのインパクトが必要だ。 第5局。名人は最初のカド番をしのぐ。問題はその勝ち方。みなさんもおそらく気づいていると思う。衝撃度はかなりのものだった。 ここまでの全4局、黒の第一着はすべて小目だった。名人が黒1の星から中国流を敷いたのは、何とか流れを変えたいとの意識の表れだろう。 驚いたことに、この変化をズバリ予言していた棋士がいる。名人戦で初めて解説を担当した、坂井秀至七段だ。 「10月1日に両者は十段戦(高尾先番)でぶつかり白6まで同じ進行。13日には高尾さんが早碁(対黄翊祖戦)でやはり中国流を用いていました。そして17日にこの第5局。中国流の準備は整ったかなと」 挑戦者も予想していたかのような雰囲気を漂わせる。白12は珍しい。素直に考えるなら白A、黒B、白Cだ。ただ、黒Bに受けてくれるなら白Aは12にあるほうが地にからいと、挑戦者はみている。 (松浦孝仁) |
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