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黒高尾紳路  名人   対   白張栩  挑戦者

利かした?

2007年11月23日

 相手の嫌がることをすれば一般社会では嫌われる。でも盤上なら許されるどころか、立派な戦略であり、勝つために欠かせない要素だ。黒35がまさにそれにあたる。

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棋譜

 坂井「白が△にツメたときから、高尾さんも張さんもずっと頭のどこかで黒35の地点を意識していたはずです」

 白はどう対処するかが難しい。まず浮かぶのは参考図の白1。上下の白は一応連絡できる。しかし黒2から12まで実利を稼がれるのが悔しい。白13までの勢力も相当なものだが、特に地にからい挑戦者にとっては耐えられない進行だ。

 白44と上辺黒に迫っていくのは手を抜かれて困る。黒Aのツケくらいで白は二の矢がつげない状況であることが分かる。

 挑戦者は白36を選択。これなら黒37の両ガカリで満足できる。黒35で37のカカリなら白は40、黒38、白35の一手。そこを36にトバせた理屈なのだから、「黒が利かした」交換といえる。

 白38、40のツケオサエに黒41、43が名人らしい。攻めを基本にこの碁を組み立てている。その流れなら黒45は当然というべきかもしれないが、やはりこの手厚さには驚きの声があがった。黒のムードがよくなってきた。

(松浦孝仁)

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