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黒高尾紳路  名人   対   白張栩  挑戦者

名人の本心は?

2007年11月23日

 1日目午後、昨譜のあたりから、名人の着手に歯切れのよさがない。逆に挑戦者は得意の先行逃げきりのパターンを目指して快調だ。右下隅を先手でえぐり、白76で下辺の戸締まりも完了した。

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棋譜

 白80で参考図の1ならどうなるか。検討室ではかなりの時間を割いた。名人の読みと一致していたのは白17まで。ただ、このままでは攻め合い黒負けなので、検討陣は黒14では15、白a、黒14と変化する一手と予想していた。続いて白bなら黒cでコウ。また、白cなら黒bでセキになる。いずれも白が苦しく、やはり白1の抵抗は無理との結論に達した。

 結論こそほとんど一緒だが名人は白17以降をもっと踏み込んで考えた。下辺黒を捨て石に黒22まで。下辺は白地になるけれど中央は真っ黒だ。

 坂井「中央にどれだけ黒地ができるか分からない。実戦の白80、82は仕方ないでしょう」

 そして黒83だ。これこそ1日目のハイライト。狙いは見たとおり、△をのみ込もうとしている。

 「本当はこれで負けにしたのかもしれない」

 名人が1日目でいちばん後悔した一手という。でも、うのみにしてはいけない。

(松浦孝仁)

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