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< 第32期名人戦七番勝負第5局 観戦記 > 名手2007年11月23日 下辺の黒に迫るとき、プロなら誰でも白38から考えるという。プロの常識はつまり、そこが絶好点なのを表している。
黒はAとツイで逃げられれば最高だ。しかし白B、黒Cに白Dとコスミツけられて、とても生還は果たせそうにない。また、参考図の黒1から3と変化しても、白4から8で黒に逃げ道はない。 坂井「あとから黒9は証文の出し遅れです。白10のコスミがうまく、黒13、15の出切りには白18まで。白aの利きがあるため、黒は隅の攻め合いに勝てません」 名人は黒39へ。それほど大胆な手つきではなかったし、特に力がこもっていたわけでもない。「名手」として記憶される一着は、えてしてそんなものだろう。 「よう考えとんな」と、モニター画面に向かって叫んだのは坂井解説者。瞬時にその効果を見抜いた。検討陣も「そんな手があるのか」と、再び盛り上がった。 いつから名人はこの名手に気づいていたか。直前に右辺を囲った際には見えていなければおかしい。記者は△を取り込んだときと思うが、みなさんはいかがだろう。 白が絶好点の38を占めた瞬間だからこそ、黒39は輝く。効果はてきめんだった。 (松浦孝仁) |
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