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第32期名人戦七番勝負第5局

【10月17、18日 御所坊 (兵庫県神戸市)】
黒 高尾紳路 名人   対   白 張栩 碁聖

  1日目 | 2日目

写真 感想戦で初めは難しい表情で盤を見つめていた高尾名人、ようやく笑顔が出た
写真 記者の質問に、厳しい表情で対局を振り返る張挑戦者
写真 感想戦で戦いを振り返る張挑戦者(左)と高尾名人
写真 名人戦を見学に来た米の大学生ベンジャミン・ボアズさん。自身を取り上げたマンガを見せてくれた
写真 勝負の行方は? 検討室の議論も熱を帯びてきた
写真 対局者はそれぞれ自室で昼食をとった。メニューはうどん、いなり寿司など
写真 2日目も坂道にいたねこは、よく見ると囲碁っぽい柄。優勢なのは黒?白?
写真 封じ手13の五に赤い○が記されている
写真 封じ手13の五を打ち込む張挑戦者
写真 封じ手を開ける立会人の石井邦生九段

高尾名人「小ヨセで勝ち見えた」 張挑戦者「うまい手が見つからず」

 カド番をしのいだ高尾名人は第5局を振り返り、「ずっと自信はなく、1日目は悪いと思っていた」。今シリーズ初めての初手星打ちについては、「特に気分を変えたというわけではありません」。

 「下辺黒139以下は予定していた進行ですが、それでもまだ細かい勝負です。勝ちが見えたのは最後の小ヨセの段階です」と話した。

 張挑戦者は「封じ手の段階で、時間はたっぷり残っていたのになかなかうまい手が見つからなかった」と唇をかんだ。「ヨセに入ってはちょっと足りない形勢。2日目は、チャンスがなかったかもしれない。序盤左上黒35の打ち込みが厳しかった。左辺白が浮いてしまい、あまりよくなかった」

2007年10月18日16時50分

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米国の青年、囲碁に感激

 第5局の成り行きを2日間にわたって、熱心に見つめたアメリカの青年がいる。フルブライト奨学制度で今年9月から京都大に留学しているベンジャミン・ボアズさん。年齢を聞くと「昭和58年生まれの23歳です、西暦なら1983年です」と答える日本通である。こどものころからボードゲームが好きで、囲碁は6歳のころ英文の入門書を読んで興味を持った。だが、周りに打つ人がいなかったのでそのままになっていた。

 ロードアイランド州のブラウン大生になった20歳のころ、1年休学してチベットに遊び、そこで出あった麻雀に感動。「4人で競うゲームも珍しいが、技術と運がほどよくミックスしているところが素晴らしいと思った」

 麻雀は中国発だが、文化大革命期に公には禁止されたこともあって社会的に発展しなかった。だが、日本では雀荘もあるし、サラリーマンの間に幅広く浸透していることを知り、「麻雀を通じた日本の男性像」をテーマに本格的に研究するまでになった。「接待麻雀も興味深いし、職場の親睦や出世と絡むところも面白い」

 3ヶ月未満の短期来日を繰り返して、今回が8回目。たまたま、麻雀やカジノ、囲碁などゲーム万般に詳しい大阪商業大学の谷岡一郎学長と知り合い、その縁で今回、名人戦の見学が実現した。

 1日目の封じ手、2日目の封じ手開封、さらに終局後の感想やインタビューなど一連の節目を対局室で直に見学した。

 感想を聞くと「周りのみんなが対局者や囲碁そのものに、深い尊敬の念を抱いているのを知り、感動しました。何もかもが丁寧で、正式な規範にのっとっている。伝統のあるゲームで、そこに価値があることもよくわかった。アメリカではチェスやポーカーといったゲームがテレビで中継されるなんてことはありません。いや、本当に夢のような二日間の見聞でした」。

 なお、ボアズさんの麻雀好きはその世界ではかなり有名。今年、デンマークのコペンハーゲンで開かれたヨーロッパ麻雀選手権では、参加136選手で3位に入賞した。また日本の雑誌「近代麻雀」の連載「雀荘で遭った愉快な人々」に取り上げられたこともある。

2007年10月18日16時05分

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名人、カド番しのぐ

 223手で黒番高尾名人の2目半勝ちとなりました。今日の午後から数手進んだあたりで、細かいながらどうも黒の厚い形勢になったようです。小ヨセで少し白が損をしたので、最後はやや差が開きました。

 序盤から難しい戦いが続きました。1日目の流れは、やや黒に不満があるかなと思っていましたが、2日目、黒135と右辺を頑張って、白138に対しての黒139からのサバキが素晴らしく、この一連の流れが勝利につながったように思います。

 これで、名人がひとつカド番をしのいで勝負は第6局以降に持ち越されることになりました。お二人の対局はいつも本当に大熱戦でこれからの碁もとても楽しみです。2日間どうもありがとうございました。また第6局でお会いしましょう。

2007年10月18日15時55分

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第5局は高尾名人が223手で2目半勝ち

 17日から神戸市北区の旅館「御所坊」で打たれていた第32期囲碁名人戦七番勝負の第5局は、18日午後3時7分、高尾紳路名人(30)が張栩挑戦者(27)に223手で黒番2目半勝ちし、対戦成績を2勝3敗とした。

 持ち時間各8時間のうち、残り時間は高尾名人13分、張挑戦者3時間23分。

 第6局は11月1、2の両日、甲府市の常磐ホテルで。

2007年10月18日15時30分

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わずかに黒が厚いか

 再開後、難しいヨセ合いが続いています。検討室でもいろいろな図が作られて計算されていますが、どうも、わずかに黒が厚いのでは、との声が上がってきています。

2007年10月18日14時20分

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対局再開

 午後1時に昼食休憩を終えて対局が再開した。高尾名人の151手目は10の十三。

2007年10月18日13時05分

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一進一退

 下辺の攻防で黒が143とツイだときには検討室で、「あっ、その手が成立するのか」と驚きの声があがった。下辺の黒は被害を小さくとどめ、中央に進出。そのうえ、黒147と左辺の大きい切りに回って、「黒が、ややいいのかな」という感想も出だした。

 ところが、挑戦者が小考ののち、中央左で146、150と小さいながらも地を持ちそうになると、今度は「白もしぶとく応じているね」。どうやら、1目を巡って依然として難しい形勢が続き、一進一退の繰り返しのようだ。

2007年10月18日12時50分

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いよいよヨセ勝負に

 黒151手目を考慮中に昼食休憩に入りました。昨日の本欄で触れた右辺と下辺の未解決部分もだいたい収束し、いよいよ本格的なヨセに突入しそうです。大変細かい局面で、検討室では半目勝負との見方がなされています。やはり白熱したヨセ勝負になりそうですね。

2007年10月18日12時40分

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昼食休憩、再開は午後1時

 第32期囲碁名人戦七番勝負第5局2日目は、高尾名人が151手目を考慮中に昼食休憩に入った。持ち時間各8時間のうち、ここまでの消費時間は高尾名人が6時間59分、張挑戦者が3時間23分。再開は午後1時。

2007年10月18日12時05分

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名人さすがのサバキ

 白138は衆目の一致する急所で、これに対する黒のサバキがいろいろと検討されていましたが、黒139から145は名人さすがの石運びでした。これによって被害を9の十八の黒1子だけにとどめ、さらに先手をとって盤上最大の2の十五のキリに回っては、名人が巧く立ち回った感があります。黒135と右辺を頑張ったのは、このサバキを用意した上でのことだったんですね。

2007年10月18日11時30分

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下辺の攻防に注目

 黒135と囲って右辺に大きな黒地が確定しました。ただ、下辺の黒3子も薄いので、検討室では6の十七にヒラく手を予想していました。しかし実戦のように右辺を頑張って、下辺もある程度サバくことができれば黒にとってこの上ないことなので、今後の下辺の攻防が大変注目されます。

2007年10月18日11時00分

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右上の両者の応手

 封じ手後の右上の両者の応手は、すべて右上の白の一団の死活問題と絡んでいます。なぜ黒117とホウリコんだかというと、単に黒129にアテると、次の黒131のヌキが先手にならないからです。黒127、白128の交換があれば、黒131にヌいた後、隅に18の二にツケて、コウにする手段が残ります(参考図参照)。

2007年10月18日10時40分

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中央の白130、好点

 右上のコウ争いの最中に打たれた中央の白130について、坂井解説者は「十分予想された着手ですが、左辺からの白一団の安定を図りつつ、右辺黒への削減もうかがい、さらに下辺の白石にへばりついた黒3子への攻めもにらんだ牋貔仍按鮫瓩旅ヅ澄廖

 白130に対して黒はその一間右に守るか、下辺の黒3子を補強するため白4の右一間か、どちらかだろうという。

2007年10月18日10時30分

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坂井解説者「1目を争う碁」

 封じ手から右上でコウ争いが一段落した段階で、朝日新聞解説の坂井七段はNHK衛星テレビで「形勢は細かく、1目を争う碁になっていると思う」と慎重な見方を示した。

2007年10月18日10時00分

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封じ手は予想通り

 おはようございます。2日目もよろしくお願いします。

 挑戦者の封じ手13の五のアテは、検討室の予想通りでした。左辺からの黒の一団との絡みで14の六に切る手が成立すれば良いのですが、どうも巧い手がなく、それならば実戦のようにアテるくらいの相場です。残り少ない空間がどうなるか楽しみです。

2007年10月18日09時50分

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対局再開、挑戦者の封じ手は13の五

 17日夕に打ちかけとなっていた第32期囲碁名人戦七番勝負の第5局は2日目の18日、神戸市北区の旅館「御所坊」で再開した。午前9時、 高尾紳路名人(30)と挑戦者の張栩碁聖(27)が1日目の109手目までの手順を再現し、立会人の石井邦生九段が封じ手を開封した。白番の張挑戦者の封じ手は13の五。

 持ち時間各8時間のうち、1日目の消費時間は高尾名人(30)5時間2分、張挑戦者2時間28分。本日夜に決着する。

2007年10月18日09時10分

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