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< 第32期名人戦七番勝負第6局 観戦記 > 武田信玄の碁2007年12月07日 甲斐の国といえば武田信玄。川中島の合戦の合間に打ったとされる碁が伝わることをご存じだろうか。相手は配下の武将の高坂虎綱(春日源五郎)。棋譜から判断するとなかなかの打ち手だが、どうやら後世の偽作らしい。棋譜の真偽はともかく、戦国武将が碁をたしなんだと想像するのは楽しい。徳川家康が大の碁好きだったというのは史実である。
白24とツケ、まず名人が注文をつけた。ここを強化して白Aのツケコシに結びつける腹だろう。ただし白30とノゾいたのは分かりにくい。加藤充志解説者の出番だ。 「白30に黒Bのツギなら白36の予定でしょう。黒をすこしでも重くすれば、のちの白Aがより効果的になります。したがって黒31、33と変化したのが機敏でした。黒39までと生きてしまえば、もう全体の黒は軽く、白Aは大した狙いにはならず、白30が空振った印象を受けます」 この判断が難しい。空振り気味とはいえ、白Bの出が残ったのはあくまでも厚い。疾(とき)こと風の如くで、さっと軽く変化した挑戦者に、名人は落ちつきはらっている。動かざること山の如しだろうか。 1日目の午後、甲府在住の白鳥澄子五段が大量のブドウを差し入れに検討室に顔を出した。88歳の退役棋士ながら、元気でアマチュアの指導に当たっておられるという。 左辺の接触戦のあと、白40、42と戦線は静かに右辺へと移った。ここで予想外の大動乱が起こる。 (春秋子) |
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