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< 第32期名人戦七番勝負第6局 観戦記 > 想定の内と外2007年12月07日 封じ手はどこか。あたりまえのことだが、ファンや周囲の棋士以上に当事者は真剣に考える。挑戦者の予想第1候補は白90ではなく、立会人がいい間違えたAだった。
参考図の白1である。これに対しては黒2と打ち込むつもりだったという。白3から5には黒6以下と押し、12とおさまっておく。黒aがあって白の連絡に不安があり、右側の黒はbがワタリを見て利いているので弱くない。ここまでを確認し、黒がやれると踏んで眠りに入ったと察する。あれこれ考えすぎるのは睡眠のじゃまになるだけだ。加藤解説者は語る。 「張栩さんの感想はとても勉強になります。私なら図の黒2で何も考えずにcとフクらんでしまいそうです」 ところが名人は予想の第2候補ともいうべき白90だった。この場合は黒91、93と消して悪くないと見たはずである。すべて想定内だ。 ただ一つだけ、想定を超えていたのは白94からのエグリの厳しさだった。侵掠(しんりゃく)すること火の如し。地をかするのではない。黒の全体を脅しているのだ。「こんなきつい手があったとは……」と挑戦者。 黒97、99でいったんはピンチをかわしたものの、白Aとぶり返す手が残った。それを横目に白100。名人に勢いが出てきた。 (春秋子) |
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