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黒張栩  挑戦者   対   白高尾紳路  名人

勝利の道は一つ

2007年12月07日

 黒59までとしのいで中央にいくらか地がつきそうな雲行き。しかし白は貴重な先手をにぎっている。戦いは決着せず、形勢も不明のままだ。

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棋譜 82コウ取る(79の左)、84ツグ(79)

 名人の手が舞って白60、62。とたんに検討陣から「あれっ、まだ戦うのか」と驚きの声があがった。この思いは挑戦者も同じだったらしく、「意外というより、私の読みからちょっと抜けていた」と語る。

 誰もが参考図の白1の17目の実利に手を出したくなるのではないか。すると黒は2以下を決め、8、10の囲いに回って、非常に細かく、黒がむしろ有望という。白5を手抜きして黒7とツケられても白の負けだろう。

 いろいろな選択肢の中で、白の勝つ道は一つしかない。白60、62で名人はそれを必死にたぐりよせたのだ。黒63の切断には白64とツケ、66とノビる。黒67とコスミツけられてあぶなく見えるが、秒読みに追われながら白70の愚形の好手を用意していた。Aの切りを残したのが働きだ。

 ぎりぎりまで引きつけて白78を占め、検討陣のつくる図は、ほとんどが白の半目勝ちを示すようになった。

(春秋子)

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