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< 第32期名人戦七番勝負第6局 観戦記 > 名局のあとで2007年12月07日 【白半目勝ち】265手完 ダメをつめ、整地し終わってからしばらく、両者無言。王銘エン立会人が「白半目勝ちですか」と質問すると、「はい」と挑戦者が答え、「あー、何も分からなかったな」と絞り出すように口を開いた。
名局ということばは安易につかいたくない。しかし本局こそ、まぎれもない名局と思う。めったなことでは胸を熱くしなくなった老記者だが、近ごろこれほど感動した一局はない。まず白70(18の十四)、72とハネツいで黒73(18の十一)を許したところだ。「高尾さんは黒73を見落としたというけれど、白70、72を打たれたとき、最善をこられたと思っていた」と挑戦者。続いて白94(3の十六)からのエグリも、兵を引かない白132(6の十三)もすばらしい頑張りだが、圧巻は唯一の勝ち筋をものにした白160(10の六)と162(10の十)だろう。挑戦者の後日談を紹介しよう。 「時間の少ない中で読み切った高尾さんはすごい。負け碁には敗因や敗着があるものなのに、この碁だけは分からない」 さらにつけ加えた。 「とてもかなわないという気がした。しかしこれほど強い高尾さんと7局まで打てるのはしあわせと思えるようになりました」 第6局に関する限り、挑戦者はよき敗者だった。そして第7局は? (春秋子) |
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