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黒張栩  挑戦者   対   白高尾紳路  名人

名局のあとで

2007年12月07日

【白半目勝ち】265手完

 ダメをつめ、整地し終わってからしばらく、両者無言。王銘エン立会人が「白半目勝ちですか」と質問すると、「はい」と挑戦者が答え、「あー、何も分からなかったな」と絞り出すように口を開いた。

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棋譜  111コウ取る(103)、131ツグ(22)、182コウ取る(2)、184ツグ(179)、243コウ取る(91)、264ツグ(251)、265同(212)

 名局ということばは安易につかいたくない。しかし本局こそ、まぎれもない名局と思う。めったなことでは胸を熱くしなくなった老記者だが、近ごろこれほど感動した一局はない。まず白70(18の十四)、72とハネツいで黒73(18の十一)を許したところだ。「高尾さんは黒73を見落としたというけれど、白70、72を打たれたとき、最善をこられたと思っていた」と挑戦者。続いて白94(3の十六)からのエグリも、兵を引かない白132(6の十三)もすばらしい頑張りだが、圧巻は唯一の勝ち筋をものにした白160(10の六)と162(10の十)だろう。挑戦者の後日談を紹介しよう。

 「時間の少ない中で読み切った高尾さんはすごい。負け碁には敗因や敗着があるものなのに、この碁だけは分からない」

 さらにつけ加えた。

 「とてもかなわないという気がした。しかしこれほど強い高尾さんと7局まで打てるのはしあわせと思えるようになりました」

 第6局に関する限り、挑戦者はよき敗者だった。そして第7局は?

(春秋子)

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