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第32期名人戦七番勝負第6局

【11月1、2日 常磐ホテル(山梨県甲府市)】
黒 張栩 碁聖   対   白 高尾紳路 名人

  1日目 | 2日目

写真 封じ手を立会人の王銘エン九段(左)に渡す高尾名人
写真 「風林火山」の由来となった孫子の成句「疾キコト風ノ如ク…」と書かれた幟(のぼり)。手にするのは常磐ホテルの女将
写真 名人、挑戦者とも自室で昼食をとった。メニューは、讃岐うどん、クレソンのおひたし、巻物、柿ゼリー寄せ、漬物
写真 第一着を右上隅小目に打ち下ろす張挑戦者
写真 熱戦の開始を待つ対局室。盤上にはモニター用のカメラが備えられている
写真 碁石の感触を確かめる高尾名人(右)と張挑戦者=10月31日

攻める挑戦者、かわす名人

 高尾名人が90手目を封じて1日目が終了しました。右辺の攻防が大変スリリングでしたが一応の収束をみて、そろそろ大ヨセに入るかどうかという局面です。右辺白石がずいぶん取られた感じですが、白地も多く、またもや細かいヨセ勝負になりそうな気配です。明日も目が離せませんね。どうぞお楽しみに!

2007年11月01日18時15分

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一時は「1日目で終わるか?」と検討陣

 右辺の攻防で、白の生きが難しそうに見えた局面だった午後4時半すぎ、検討陣の間では「これは、1日目で終わるかも…」と、事態の急迫を指摘する声が一気に高まった。NHK衛星放送の解説者・武宮正樹九段も、中継で「いやあ、険しいですよ、これは」と深刻な表情だった。

 ところが、高尾名人が下辺に大きく展開し、右辺でも捨て石作戦に切り替えて大所を占めると、検討陣から「いや、形勢はそう単純には言えない、白も結構やっている」と一転、慎重な見方が広がった。

 碁は広い、ということなのだろう。

2007年11月01日18時10分

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捨てた? 取られた?

 黒73に対して、どうも白がすっきり生きられる図がなさそうな感じです。例えば、17の十一につなぐと参考図のようになりコウになってしまい、白いけません。

 そこで実戦は白74のオキから黒83まで、上下から黒地を値切って白の一団を処分する作戦に出ました。

 一見、捨てたというより取られたという印象ですが、果たしてこれが予定の行動であったのか、局後の名人の感想が大変興味深いところです。

2007年11月01日17時50分

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名人が90手目を封じる

 甲府市の常磐ホテルで1日午前9時に始まった高尾紳路名人(31)と挑戦者・張栩碁聖(27)による第32期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第6局は同日午後5時30分、高尾名人が90手目を封じて1日目を終えた。

 持ち時間8時間のうち、消費時間は高尾名人4時間49分、張挑戦者2時間41分。2日午前9時に再開する。

2007年11月01日17時40分

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白の眼形不安

 白70、72とハネついだ手は大変頑張った手です。確実に生きるには参考図のように打てば堅いのですが、黒2とサガられているのが右下隅の白地を減らしてつらい。

 そこで実戦のようにハネツいで黒が単に17の十三につないでくれれば、白18の十二にオサえて右下隅を地にしながらうまく治まれます。

 ただ、白がハネツいだ時に黒73とノゾいた手が当然ながらうまい返し技で、検討室では白が無条件で生きることは難しいのではないかという見解です。

2007年11月01日17時25分

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挑戦者、自信の進行か

 黒は55のハネから捨て石を利用して右辺の白を完全に封鎖し、黒69とツメて白の眼形を脅かしにいきました。上辺で地は損をしましたが、右辺の白を攻めることによってその損を取り返せるという判断でしょう。張挑戦者の自信がうかがわれるような気がします。

2007年11月01日16時00分

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「孫子」の幟を持つホテルの女主人

 常磐ホテルの女将は笹山かほりさん。信玄公の旗幟「風林火山」の出典となった、孫子の成句を染め抜いた幟をもってもらった(写真参照)。

 場所は同ホテルのロビー。ガラス越しの後ろに見えるのが自慢の広い和風庭園。中央の亭々と枝を伸ばしている大ケヤキが、一番速く紅葉している。

 「あの大ケヤキがここの季節の先導役なんですよ。紅葉も翌春の若葉も、あのケヤキから始まります。今年は天候の影響からか、ちょっと色づきがよくないようですけれど、秋が深まるのを感じされてくれます」と、季節の移り変わりの奥深さを説明してくれた。

2007年11月01日15時30分

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挑戦者、柔軟な発想

 午前の最後、白30のノゾキに対して、黒はまともに受けず三々にツケて隅にかわしました。もともと左辺から中央に向かって飛び出している黒数子は、白から「9の八」などの反撃を狙われていたので、隅にかわることによってそれらの石を軽くした(取られても大したことはない)という意味があります。張挑戦者らしい柔軟な発想です。

2007年11月01日14時50分

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「互いに『言いなりにはならないよ』と火花」

 朝日新聞解説の加藤充志八段に、昼過ぎまでの序盤の印象を聞いた。

 「一番印象が強いのは、名人の左辺白8ツメです。左辺黒5〜7の構えはこのシリーズで何回か出ています。その流れの上で、名人はカド番のこの対局で打つのか、正々堂々としているなあ、という感銘です。黒7ケイマの弱点が白に8とツメられることは常識です。挑戦者はもちろん十分研究して、ツメられてもやれる対応を考えているわけです。一方の名人も十分研究したうえで、どちらの判断が正しいのかやってみましょう、といっているわけです。名人戦のカド番というこれ以上ない大舞台で、自信の一着を放つ、ここにドラマと感動を覚えます」

 続けて、 「右上黒23のカケに白は手を抜いて、左辺で白24とツケていき、今度は左上白30ノゾキに黒は31とツケてと、互いに相手の言いなりにならない反発を見せ合い、1日目の序盤から火花が散っています。どんな小さな利かされでも相場で処理せず、厳しい対応ぶりです。両者の厳しさと、意欲的な態度がひしひし伝わってきます」と話した。

2007年11月01日14時30分

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対局再開

 午後1時に昼食休憩を終えて対局が再開した。高尾名人の32手目は3の二のハネ。

2007年11月01日13時05分

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昼食休憩

 第32期囲碁名人戦七番勝負第6局1日目は、高尾名人が32手目を考慮中に昼食休憩に入った。持ち時間各8時間のうち、ここまでの消費時間は高尾名人が1時間49分、張挑戦者が1時間11分。再開は午後1時。

2007年11月01日12時00分

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攻防の急所

 白24のツケは攻防の要点で気になるところです。左下隅黒が一間ジマリだっただけに、黒から3の十一にコスむ手が左辺の黒地を確定させつつ、白の一団の目を奪う一石二鳥の手でした。白24はその黒の手段を未然に防ぎ、白石を安定させようという手です。

 ただ、右上隅をカケられた瞬間だったので、思い切ったタイミングです。

2007年11月01日11時40分

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序盤から互いの石が中央へ

 黒7までは第4局と同じ手順で、第2局ともよく似ているが、名人の白8で前例から外れた。白8は黒に厳しく迫った手。続いて左辺一帯で競り合いとなった。序盤早々から互いの石が中央へ向かい、見通しの立ちにくい展開となっている。

 解説の加藤充志八段は「腰の高い黒7に白8が来ることは、挑戦者にとって想定内。それを承知で打ったところに、名人の積極性を感じます」と話した。

2007年11月01日11時25分

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「風林火山」対局始まる

 甲府といえば甲斐の国、武田信玄の本拠である。街のあちこちに「風林火山」の幟(のぼり)が秋風に揺れている。高尾名人vs張挑戦者の今シリーズ第6局は、「風林火山」対決と呼ぶにふさわしいのではなかろうか。

 疾(はや)キコト風ノ如ク、

 徐(しず)カナルコト林の如ク、

 侵掠(しんりゃく)スルコト火の如ク、

 動カザルコト山の如シ

 この孫子の成句から、信玄は「風」「林」「火」「山」の四文字を抜き出して軍旗に掲げたのである。

 高尾名人のニックネームは「重厚戦車」、張挑戦者の異名は「韋駄天」。両雄の棋風とニックネームからすれば、「林」「山」は名人のイメージに近く、「風」「火」は挑戦者に近いのではないか。

 あるいは、「火」は名人にこそ、という見方もあるだろうか。山や林の如く静かにどっしり構えつつ、攻め時とみれば火の如く襲いかかる。これこそ名人本来の碁、という意見も強かろう。

 ただし、今シリーズ第4局の終盤で、挑戦者が名人の大石を一眼にして殺したことを思い起こせば、挑戦者に「火」を連想はできるだろう。

 さて読者の皆さんは、どんな感懐をもたれるだろうか。

2007年11月01日10時25分

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名人、積極策

 黒7と小ゲイマに構える手は、最近、張挑戦者がこの形でよく用いており、今シリーズの第4局にも表れました。そのとき高尾名人は右上隅に大ゲイマにカカったのですが、今局ではいきなり白8とツメる積極的な手を選びました。第4局の後にいろいろと試行錯誤されたのでしょう。

2007年11月01日09時50分

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挑戦者の先番で第6局始まる

 高尾紳路名人(31)に張栩碁聖(27)が挑戦している第32期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第6局が1日午前9時、甲府市の常磐ホテルで始まった。先番の張挑戦者は、第一着を右上隅小目に打ち下ろした。

2007年11月01日09時25分

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粘るか、決めるか

 おはようございます。第5局に引き続き、現地より中継させていただきます。カド番を一つしのいだ名人が勢いをキープして最終局決戦に持ち込めるか、挑戦者がタイトルを奪還するのか、注目の一番です。

2007年11月01日09時05分

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挑戦者はスーツ、名人は浴衣で検分

 第32期囲碁名人戦第6局を翌日に控えた31日夕、会場となる甲府市の常盤ホテルで、高尾紳路名人と張栩碁聖による対局室検分がおこなわれた。

 対局がある離れ「九重」は、井伏鱒二をはじめとする多くの文人に愛された部屋で、庭園に面した窓からは、紅葉を迎えて色づいた木々を眺めることができる。

 張挑戦者はスーツ姿で予定時刻より早く着座、高尾名人は浴衣姿でほぼ定刻に入室した。

 両対局者は、碁石・碁盤や部屋の空調などに特に問題がないことを確認して、検分を終えた。

2007年10月31日

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1日から甲府で第6局

 高尾紳路名人(31)に張栩碁聖(27)が3勝2敗とリードして迎える第32期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第6局が11月1日午前9時、甲府市の常磐ホテルで始まる。張挑戦者が勝って名人位奪取を果たすか、高尾名人が勝って最終局決着に持ち込むか、注目の一番だ。

 先番は張挑戦者。持ち時間各8時間の2日制で、2日夜までに決着する。立会人は王銘エン九段。

2007年10月31日

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