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第32期名人戦七番勝負第6局

【11月1、2日 常磐ホテル(山梨県甲府市)】
黒 張栩 碁聖   対   白 高尾紳路 名人

  1日目 | 2日目

写真 タイトルホルダーの意地を見せた高尾名人。表情も和らぐ
写真 厳しい表情で質問に答える張挑戦者
写真 対局後の感想戦。張挑戦者(左)の指摘を聞き、身を乗り出す高尾名人
写真 終盤の難解な局面を検討するプロ棋士ら。一手進むごとに様々な声があがる
写真 検討も熱を帯びてきた。立会人の王銘エン九段(右)と、(左列手前から)NHK解説の武宮正樹九段、ネット解説の武宮陽光五段、NHK聞き手の中島美絵子初段
写真 2日目の昼食。両対局者とも自室でとった。メニューは、ざるそば、天ぷら、伊達巻寿司、蜆(しじみ)と長芋の小鉢、みかん
写真 高尾名人の封じ手が記された用紙
写真 封じ手の「6の十七」を打つ高尾名人
写真 封じ手を開封する立会人の王銘エン九段
写真 前日の棋譜を盤上に再現する張挑戦者
写真 封じ手までの棋譜を並べ直す高尾名人
写真 張挑戦者は指圧グッズで手のひらを刺激しながら対局再開を待つ
写真 碁盤を清める高尾名人

いよいよ最終局へ

 波乱万丈の碁でしたが、お二人が打つと最後はやはり半目勝負になってしまうのですね。

 この碁のポイントはなんと言っても右辺の攻防だったと思います。名人の「捨て石作戦」は予定通りであったのか。注目の感想によると「うっかりでした。ノゾキ(黒73)を見ていなかった」とのこと。信じられないようなことですが、名人の雰囲気ですとどうやら本当のようです。

 ただ、張挑戦者は「生きてもらう方がありがたかった」との感想でしたので、何とも言いようがない不思議な運命を感じました。

 ふつうはこれだけの見損じをすると立ち直れないはずなのですが、碁とは本当に奥深いものですね。

 何はともあれ、お二人の勝負は最終局までもつれ込むことになりました。7局見られるのは、ファンとしてはこれ以上ない喜びですから、最後の一局、悔いのないように素晴らしい碁を見せていただきたいと思います。

2007年11月02日19時05分

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「2日目は夢中で打った」「半目勝つ手は見つからなかった」

 終局後の両者のコメントは次の通り。

 高尾名人「1日目、右辺の攻防は白がほとんどツブレみたいだった。1日目が終わった時点では、形勢は非常に悪いんじゃないかと思っていました。(非常に悪かった形勢が、終わってみれば半目勝ち、理由は? に)まったく分からないです。2日目は、ただ夢中で打ちました」。

 張挑戦者「1日目打ち掛けの時点では、いい勝負か、もしくは少し打ちやすいかと思っていた。右辺の攻防は白の『捨て石作戦か』とも思ったが、よく分からない。黒のいい図は、ななかなか見えなかった。右辺で白3子を取ったのは小さかったかもしれない。ちょっと勘違いしていたようだ。2日目の再開後に、左下隅で白に荒らされたが、こんなに厳しいとは思っていなかった。最後、半目を勝つ手は見つからなかった」。

2007年11月02日19時03分

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盤面、黒地37目・白地31目

 終局して整地すると、黒地37目対白地31目。コミ6目半なので、白がきわどく半目余した。

 戦いは厳しく、1手も緩められないヨセ勝負が延々と続いたが、終局後の両者の表情は穏やか。

 死力を尽くした爽やかさのようなものが、対局室を覆っていた。

2007年11月02日18時59分

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名人が勝ち3勝3敗のタイに

 第32期囲碁名人戦七番勝負第6局は2日、甲府市の常磐ホテルで打ち継がれ、午後6時13分、高尾紳路名人(31)が挑戦者の張栩碁聖(27)に265手までで白番半目勝ちし、対戦成績を3勝3敗のタイとした。

 持ち時間8時間のうち、残りは高尾名人2分、張碁聖51分。第7局は8、9の両日、静岡県熱海市で打たれる。

2007年11月02日18時28分

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白、半目厚いか

 緊迫したヨセ勝負が続いています。検討陣の計算では盤面6目で白番ということですので、半目は白に残りそうだと見ています。

2007年11月02日18時00分

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半目勝負か

 かねてより大所の右上隅に白が手を回しましたが、黒も上辺の白地に侵入し、大変細かい形勢です。

 またもや半目勝負の予感です。

2007年11月02日17時31分

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両腕まくりの挑戦者

 午後4時半前、張挑戦者は突然、紺色のワイシャツの袖ボタンを外し始め、まず左腕、続いて右腕の袖をまくり上げた。まさしく戦闘モードだ。二の腕が見えるまでにまくり上げ、白い腕がむき出しになった。

 袖の折り方がまた丁寧で、幅5センチぐらいにキチンと同じペースで折っていった。几帳面な正確が、真剣勝負の真っ只中で如実に現れた一幕だろう。

2007年11月02日16時40分

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名人秒読みに

 名人が170手目を考慮中に秒読みに入りました。大変難解な局面ですが、正しく打てれば白に有利な展開になるような気がします。ただし、秒読みの中で正しく打つのは容易ではありませんが。

2007年11月02日16時36分

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名人、秒読み寸前 挑戦者は2時間余す

 午後4時15分の段階で、残り時間は挑戦者が2時間を余しているのに対し、名人はほぼ10分程度で秒読み寸前だ。

 挑戦者は、塗るとピリっとする気付けの薬をこめかみに塗り込んで、気合いを入れている。

2007年11月02日16時20分

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「形勢細かいが、やや白厚いか」

 午後4時、 NHK衛星放送が再開した。冒頭、解説の武宮正樹九段は検討陣の大勢として、「形勢は細かいが、やや白が厚いようだ」と話した。

 立会人の王銘エン九段、新聞解説の加藤充志八段らの検討で、ヨセの手順が様々に作られている。

 地合の計算の差は、コミを入れて1目半だったり2目半だったりする。

2007年11月02日16時10分

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勝負所へ

 黒125に対し白126と受けた手がうまい手で、下辺の黒石に手を入れさせて先手をとりました。黒は下辺を生きて白地を荒らすことに成功しましたが、反面、左下の黒の一団が弱くなったので良かったかどうかは微妙です。

 ここで、右上隅白から18の三にサガる手が大変大きく(黒から逆に17の二にハサミツケられるのと比べると17目の差があるそうです。僕はよく計算ができませんが(苦笑))、検討室ではそれで白がやや面白いのではないかとみられていました。

 ただ実戦は白132と左下の黒への攻めに転じました。確かにここはやってみたくなる所で、攻めがうまく決まって右上隅の大所に回れれば形勢がはっきりしそうです。

 しかし、攻め損なって黒に右上隅に回られると、逆に形勢が傾いてしまうので、名人としても決断の一着だったかもしれません。どちらが右上に先着するか、ここでの攻防が勝負を分けるような気がします。

2007年11月02日15時06分

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挑戦者は楽観、落ち着いている名人

 2日目昼過ぎまでの対局の印象について、立会人の王銘エン九段は「挑戦者は前半は形勢に自信を持ち、碁を決めにいった節がある。上辺の黒55からの打ち方や、右辺の攻防を見ての感想です」と話す。

 しかし、「第5局に続いて形勢にちょっと自信が強すぎはしないか、形勢をちょっと過信しているような印象を受けた」との見方も示した。

 名人に対しては、「落ち着いているのが印象的です。左辺の白24ツケとか、右辺のサバキなどに強く感じます。2日制の碁ならではの、含みのある、全局を見渡した打ち方ですね。いかにも時間を使っただけの、内容のある碁になっています」と話した。

2007年11月02日13時55分

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対局再開

 午後1時に昼食休憩を終えて対局が再開した。張挑戦者の127手目は17の十九のハネ。

2007年11月02日13時04分

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サバキの常套手段

 黒103、105とツケフクれて、黒107と下をアテてまくる筋は、サバく時によく使われる手段です。サバく時はだいたい斜めに石を動かした方が良いというのが基本です。

 白106とアテられた時に、間違っても「13の十六」にツナいではいけません。いっぺんに負けになります(笑)。

2007年11月02日12時05分

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昼食休憩、再開は午後1時

 第32期囲碁名人戦七番勝負第6局2日目は、張挑戦者が127手目を考慮中に昼食休憩に入った。持ち時間各8時間のうち、ここまでの消費時間は高尾名人が6時間20分、張挑戦者が4時間3分。再開は午後1時。

2007年11月02日12時01分

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戦いは下辺一帯へ

 名人の封じ手白90は検討陣の予想どおりの下辺二間ビラキ。名人は白94、96と左下に手をつけ、挑戦者が黒97にツケて難解な読み合いになった。中央の黒地のまとまり具合なども視野に入れながらの攻防。戦いは下辺一帯へと波及し、挑戦者は黒107、109と右下にもぐり込む。白が左下を、黒が右下を荒らすという展開へと進んでいる。

 解説の加藤充志八段は「下辺一帯がこのまま一段落すれば、ヨセ勝負へと進みそうです」と話した。

2007年11月02日11時55分

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常磐ホテルでは7回目の名人戦

 対局場となっている甲府の常磐ホテルでの名人戦は、今回で7回目を重ねる。駆け足でこの10年の名人戦甲府小史を振り返ってみよう。

 初めは1997年。当時の名人趙治勲に小林光一九段が挑戦した、第22期の第2局だった。第1局はニューヨークで打たれ、1日目の夕方、封じ手を巡って険しいやりとりがあった話題のシリーズだ。

 続いての2回目は翌年、趙名人に王立誠九段が初挑戦した第4局。この時は、タイトル戦史上初めての3コウ無勝負が出来た、忘れられない一局だ。立会人の林海峰名誉天元が「えっ、3コウができるって、どうすればいいのかな」と瞬間“うろたえ”たが、このときは日本棋院の経験十分な佐々木良男・手合課長がたまたま棋院代表として来ていて、日本囲碁規約をひもときながら、自信にあふれた見解を示して事なきをえた。趙、王両者が局後笑顔で、珍しい結末を振り返っていたのが忘れられない。

 3回目は趙名人に依田紀基九段が初挑戦した第24期の第5局。結局ここ常磐ホテルで趙が勝ち、4勝1敗で名人4連覇を達成した。

 4回目は第26期。前年に連続挑戦した依田九段が名人に就いており、依田名人の初防衛戦。挑戦者は林海峰九段で、第5局がここで打たれた。最終的に4勝2敗で名人が連覇。

 5回目は依田名人に山下敬吾九段が初挑戦した第28期。

 6回目は一昨年、小林覚九段が張名人に初挑戦した第30期の第3局。張名人が2連覇した。

 従って、張挑戦者は今期、常磐ホテルでの対局は2回目、高尾名人は初めてである。

2007年11月02日10時54分

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白、左下隅に侵入

 白94、96と左下隅の黒地に侵入しました。こんな狭い所にと思うかもしれませんが、取りにいっても参考図のように生きられてしまいます(白Aがワタリをみて利いている)。これも白90に石が来たことによる恩恵です。

2007年11月02日10時47分

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予想通りの封じ手

 皆さん、おはようございます。2日目もよろしくお願いします。

 封じ手は予想通り6の十七の二間ビラキでした。この手は純粋に地としても大きいうえに、左下隅の黒にも狙いが生じる手なので、衆目の一致するところです。

2007年11月02日10時10分

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名人、並べ直しを間違えかけて苦笑

 2日目再開の朝、前日の89手までを並べ直しているとき、高尾名人が一瞬、手順を間違えかけて、苦笑を漏らす珍しいシーンがあった。

 「あれっ」と見守る一同が、ヒヤッとしたのは左上の白30。

 正しくは「ノゾキ」なのだが、名人は左辺の白36カカエに白石を置きかけた。だが、あっ、とすぐ気づいて正しい30に置き直した。

 仮に手順を間違えたところで、置き直せば何の問題もないのだが、名人は「朝一番に手順を間違えちゃって、まだ寝ぼけているのかな?」という思いが脳裏をよぎったのかもしれない。

 そのあとも、思い出し笑いのような微かな笑みが浮かんでいた。大勝負のさなかの、ささやかな逸話といえようか。

2007年11月02日09時33分

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対局再開 名人の封じ手は6の十七

 1日夕方に打ちかけとなっていた高尾紳路名人(31)と挑戦者・張栩碁聖(27)による第32期囲碁名人戦七番勝負の第6局は2日午前9時、甲府市の常磐ホテルで再開した。

 両対局者が1日目の手順を盤上に再現した後、立会人の王銘エン九段が封じ手を開封。白番・高尾名人の封じ手は6の十七だった。

2007年11月02日09時17分

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